
タイムカード端数切捨て?10万円を取り戻した体験談
私は建設現場で技能実習生として働いていた外国人です。
在留資格は「技能実習2号」で、型枠施工の技術を学んでいました。
毎日タイムカードを打刻して出勤・退勤の時間を記録していましたが、給与明細の残業時間がいつも実際より少ないことに気づきました。
例えば、18時25分まで働いた日でも、残業は30分としか計算されていなかったのです。
毎日のように25分や20分が切り捨てられていくと、1か月でかなりの金額になります。
会社に質問しても「うちはそういうルールだ」と言われるだけでした。

| 出身国 | フィリピン |
|---|---|
| 日本語能力 | N3程度 |
| 職種 | 建設(技能実習) |
| 就職ルート | 母国からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル |
| 参照元 | 厚生労働省 – 技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(令和4年) |
まつむら日々の労働時間について30分未満を切り捨てる処理は、労働基準法違反です。労働時間は1分単位で計算するのが原則であり、端数の切り捨ては認められません。タイムカードの記録と給与明細を比較して、不足があれば労働基準監督署に相談することで是正を求めることができます。
給料明細の残業時間がおかしいと気づいた経緯
タイムカードと給与明細の時間が合わない
建設現場での仕事は、朝8時から夕方17時が定時でした。
しかし工事の進捗によっては、18時や19時まで残業することも珍しくありませんでした。
私は毎日、出勤時と退勤時にタイムカードを打刻していました。
ある月の給与明細を見たとき、残業時間が自分の感覚よりもかなり少ないことに気づきました。
手帳に書いていた自分の記録と照らし合わせると、毎日20〜25分程度の差がありました。
おかしいと思い、同じ現場で働く日本人の先輩に聞いてみました。



労働時間の記録と給与明細を照らし合わせる習慣はとても大切です。日々の勤務記録を自分でも残しておくことで、会社の計算に誤りがあった場合に気づくことができます。
30分未満の端数が毎日切り捨てられていた
先輩に聞くと、「この会社は30分単位で残業を計算している。だから29分までは残業代がつかない」と教えてくれました。
例えば、18時25分まで働いても、残業は18時00分までの1時間分しか計算されません。
25分間はタダ働きになっていたのです。
これが毎日続くと、1か月で10時間以上の残業代が消えてしまいます。
私は会社の事務所に行き、「なぜ30分未満は計算されないのですか」と質問しました。
しかし担当者は「昔からこのルールでやっている。みんな同じだから文句を言うな」と言うだけでした。



労働時間の計算において、日々の端数を切り捨てることは認められていません。例外的に認められているのは、1か月の総残業時間を集計した後に30分未満を切り捨て、30分以上を切り上げる方法のみです。毎日の切り捨ては明確な法律違反となります。
監理団体に相談するも解決せず|労基署への申告を決意
まず監理団体の担当者に相談しました。
「会社と話し合ってみる」と言われましたが、結局何も変わりませんでした。
監理団体は会社寄りの立場なのではないかと感じ、不信感を持ちました。
このままでは損をし続けると思い、思い切って労働基準監督署に申告することを決意しました。
申告する前に、タイムカードのコピーと給与明細、そして自分の手帳の記録を整理しました。
労働基準監督署には外国語対応のスタッフもいると聞いていたので、勇気を出して電話をかけました。



監理団体が適切に対応しない場合、労働基準監督署に直接申告することができます。申告は匿名でも可能であり、申告を理由とした不利益取扱いは法律で禁止されています。証拠となる資料を整理してから申告すると、調査がスムーズに進みます。
労働基準監督署の調査で違法が認定された
労働基準監督署に申告した後、監督官が会社に立入調査を行いました。
タイムカード記録と賃金台帳の照合
労働時間の端数処理ルール
- 認められる方法
- 1か月の総残業時間の端数のみ、30分未満切捨て・30分以上切上げ
- 認められない方法(違法)
- 日々の労働時間について30分未満を切り捨てる
調査の結果、会社が日々の労働時間について30分未満の端数を切り捨てて割増賃金を計算していたことが認められました。
これは労働基準法に違反する行為です。
労働基準監督署は会社に対して、切り捨てていた部分を再計算し、割増賃金を支払うよう是正勧告を行いました。



労働基準監督署の調査では、タイムカードなどの客観的な労働時間記録と賃金台帳を照合し、実際の労働時間に対して適正な賃金が支払われているかを確認します。記録が残っていれば、過去に遡って未払い賃金を請求することができます。
約10万円の未払い割増賃金が支払われた
- 私の過去の労働時間を1分単位で再計算
- 切り捨てられていた時間分の割増賃金を算出
- 不足分として約10万円が支払われた


是正勧告を受けた会社は、私の労働時間を1分単位で再計算しました。
その結果、支払われていなかった割増賃金の不足額として約10万円が支払われました。
毎日少しずつ切り捨てられていた時間が、積み重なって大きな金額になっていたのです。



1日20分の切り捨てでも、月20日働けば約7時間分の残業代が失われます。時給1,500円で計算すると、割増込みで約13,000円。1年間では約16万円もの損失になります。小さな端数でも、見過ごさないことが大切です。
同じ悩みを持つ技能実習生がすべき行動ステップ
タイムカードの時間と給与明細の残業時間が合わないと感じている方は、すぐに行動を起こしてください。
タイムカードの記録を毎日自分でも記録する
タイムカードを打刻したら、その時刻を自分の手帳やスマートフォンにも記録しておきましょう。
可能であれば、タイムカードの写真を撮っておくとより確実な証拠になります。
給与明細の残業時間と自分の記録を比較する
給与明細が届いたら、記載されている残業時間と自分の記録を照らし合わせます。
差がある場合は、何分切り捨てられているかを計算してメモしておきましょう。
差があれば会社に説明を求める
記録と給与明細に差があれば、まずは会社の担当者に説明を求めましょう。
「30分単位で計算している」などと言われた場合、それは違法であることを伝えて是正を求めてください。
会社とのやり取りは、できるだけ書面やメールで残しておきましょう。
解決しない場合は労働基準監督署に申告する
会社が是正に応じない場合は、労働基準監督署に申告しましょう。
タイムカードのコピー、給与明細、自分の記録などの証拠を持参してください。
外国語での相談も可能な場合があります。
是正勧告後の対応を確認する
労働基準監督署が調査を行い、是正勧告を出した場合、会社がどのように対応するか確認します。
労働基準監督署に進捗を問い合わせることもできます。
未払い賃金の支払いを確認する
会社から再計算の結果と支払日の連絡を受けたら、実際に銀行口座に振り込まれたか確認します。
金額が正しいかどうかも確認し、疑問があれば再度労働基準監督署に相談しましょう。



端数切り捨てによる未払いは、会社側が「ルールだから」と正当化することが多いですが、労働基準法違反であることに変わりありません。証拠を集めて申告すれば、適正な賃金を取り戻すことができます。
まとめ:あなたの働いた時間は1分も無駄にしない
私と同じように、タイムカードと給与明細の時間が合わないと感じている方は多いかもしれません。
「たかが数分」と思わないでください。
- 日々の労働時間の端数切り捨ては労働基準法違反
- タイムカードの記録は自分でも保管しておくことが大切
- 労働基準監督署に申告すれば是正勧告で会社に是正を求められる
- 端数切り捨てでも積み重なれば約10万円の未払いになることも


私はこの経験を通じて、自分の働いた時間は1分も無駄にしてはいけないことを学びました。
日本の法律は、外国人労働者も日本人と同じように守ってくれます。
おかしいと思ったら、証拠を集めて労働基準監督署に相談してください。
あなたの権利は、あなた自身が守ることができます。








