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始業前清掃が労働時間外?労働基準監督署に相談した事例

始業前清掃が労働時間外?労働基準監督署に相談した事例

この記事には広告・プロモーションが含まれています。

私は縫製工場で働く技能実習生です。

毎朝7時40分から工場の掃除をしていました。

掃除が終わると8時から通常の仕事が始まります。

ある日、給料明細を見たとき、始業前の清掃時間20分が労働時間に含まれていないことに気づきました。

会社に聞くと「掃除の時間は労働時間ではない」と言われました。

しかし、掃除は会社の指示で全員が必ずやらなければならないものでした。

この状況に疑問を感じ、労働基準監督署に相談することにしたのです。

職業が工業製品製造業の体験談
出身国ベトナム
日本語能力N3程度
職種工業製品製造業(技能実習)
就職ルート技能実習生からの就職
トラブル種別労働条件に関するトラブル
参照元厚生労働省 – 技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(令和2年)
本日の体験者
まつむら

会社の指揮命令下で行う作業は、たとえ始業前であっても労働時間として認められます。清掃のような準備作業も労働時間に含まれ、適切な賃金が支払われなければなりません。始業前の作業時間が記録されていない場合、割増賃金の未払いが発生している可能性があります。

もくじ

毎日の清掃業務が労働時間として認められない経緯

始業前20分の清掃が義務付けられていた

私が働く縫製工場では、始業時刻は8時と決められていました。

しかし、実際には毎朝7時40分までに出勤し、工場内の清掃を行うことが義務付けられていました。

清掃の内容は、作業台の拭き掃除、床の掃き掃除、ミシンの点検などです。

上司から「清掃をしないと仕事を始められない」と言われていたので、全員が必ずこの時間に来て掃除をしていました。

最初は「日本の会社はこういうものだ」と思っていました。

しかし、同じ寮に住む他の工場で働く実習生に話を聞くと、彼らの会社では始業前の作業時間もきちんと労働時間として認められ、賃金が支払われているということでした。

まつむら

労働基準法では、労働時間とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義されています。始業前であっても、会社の指示で行う清掃や準備作業は労働時間に該当し、賃金の支払い対象となります。「自主的な活動」という名目であっても、実質的に強制されている場合は労働時間として認められます。

給料明細を確認して未払いに気づいた

ある月、給料明細をよく見てみることにしました。

労働時間の欄を見ると、毎日8時から17時までの8時間(休憩1時間を除く)しか記録されていませんでした。

しかし実際には、毎日7時40分から清掃をしているので、1日あたり20分、1か月で約7時間分の労働時間が記録されていないことになります。

私は勇気を出して、上司にこのことを伝えました。

すると上司は「清掃は仕事の準備だから労働時間ではない。

みんなそうしているから問題ない」と言いました。

納得できない気持ちでしたが、その時は何も言えませんでした。

しかし、友人から労働基準監督署に相談できることを教えてもらい、思い切って相談することにしました。

まつむら

始業前の作業時間が労働時間として認められない場合、それは労働基準法第37条違反(割増賃金の不払い)に該当する可能性があります。特に、その作業が会社の指示によるものであり、拒否できない状況であれば、明確に労働時間として扱われるべきです。

労働基準監督署への相談で分かったこと

労働基準監督署に電話で相談すると、丁寧に話を聞いてくれました。

私の状況を説明すると、「それは労働時間として認められる可能性が高い」と言われました。

その後、労働基準監督署の担当者が工場に調査に来てくれました。

調査の結果、私が説明した通り、始業前20分間の清掃が全従業員に義務付けられていることが確認されました。

会社が是正勧告を受けて未払い賃金が支払われた

労働基準監督署からの是正勧告内容
  • 始業前20分間の清掃は労働時間として認められる
  • 会社の指揮命令下にある時間は労働時間である
  • 支払われていない割増賃金を計算し支払うこと
職業が工業製品製造業の体験談

労働基準監督署は会社に対して、労働基準法第37条第1項違反(割増賃金の不払い)で是正勧告を行いました。

会社は、私を含む技能実習生2名に対して、これまで支払われていなかった賃金を計算し直すことになりました。

計算の結果、1人あたり約10万円の未払い賃金があることが分かりました。

この金額は、過去にさかのぼって清掃時間分の賃金と、その時間外労働に対する割増賃金を合わせたものです。

会社はすぐに未払い賃金を支払ってくれました。

まつむら

労働基準法第37条では、法定労働時間を超える労働に対して25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。始業前の清掃時間が労働時間として認められた場合、その時間が1日8時間を超える部分については、割増賃金の対象となります。

労働時間の正確な記録が義務付けられた

是正勧告を受けた後、会社は労働時間の記録方法を改善しました。

今では、清掃を始める7時40分にタイムカードを打刻するようになりました。

また、毎月の給料明細には、始業前の清掃時間も含めた正確な労働時間が記載されるようになりました。

会社の上司からは「今後はきちんと労働時間を管理します」という説明がありました。

まつむら

労働時間の適正な把握は、使用者の義務です。タイムカードや出勤簿などで、始業時刻から終業時刻までを正確に記録しなければなりません。始業前の作業や準備時間も含め、実際に働いている時間をすべて記録することが求められます。

同じような問題を抱える技能実習生へ

私の経験から、同じような状況にある技能実習生の皆さんに伝えたいことがあります。

始業前・終業後の作業は労働時間として認められる

労働時間として認められる作業の例
  • 始業前の清掃や準備作業
  • 終業後の片付けや整理整頓
  • 朝礼やミーティングへの参加
  • 作業服への着替え時間(義務付けられている場合)

会社から「準備だから労働時間ではない」と言われても、それが会社の指示で行われている作業であれば、労働時間として認められます。

特に、全員が必ずやらなければならない作業や、やらないと業務に支障が出る作業は、労働時間に含まれます。

証拠を集めて労働基準監督署に相談する

  • 労働時間の記録
    • 実際に働いた時間をメモする
    • タイムカードや出勤簿のコピー
  • 賃金の記録
    • 給料明細書
    • 雇用契約書
  • 業務の指示内容
    • 上司からの指示メール
    • 業務マニュアルや規則

相談する前に、できるだけ証拠を集めておくことが大切です。

私の場合は、毎日の出勤時刻と退勤時刻をノートに記録していました。

問題解決のための具体的な行動ステップ

もし同じような問題に直面している場合、以下のステップで行動することをお勧めします。

STEP

実際の労働時間を記録する

まず、実際に働いている時間をノートやスマートフォンに記録しましょう。

始業前の準備作業や清掃の開始時刻、終業後の片付けの終了時刻まで、すべて記録してください。

STEP

給料明細と契約書を保管する

毎月の給料明細は必ず保管してください。

また、入社時に受け取った雇用契約書や労働条件通知書も大切に保管しておきましょう。

STEP

会社に確認する

まず、直属の上司や人事担当者に、始業前の作業時間が労働時間に含まれない理由を確認してみましょう。

丁寧に質問することで、会社側が間違いに気づき、自主的に改善してくれる可能性もあります。

STEP

労働基準監督署に相談する

会社との話し合いで解決しない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。

準備した証拠を持参し、状況を詳しく説明してください。

STEP

技能実習生の支援団体に相談する

技能実習生を支援する団体やNPO法人に相談するのも良い方法です。

これらの団体は、技能実習生の労働問題に詳しく、母国語での相談も可能な場合があります。

STEP

未払い賃金の支払いを求める

労働基準監督署の調査により、未払い賃金があることが確認されたら、会社に対して支払いを求めます。

通常、労働基準監督署の是正勧告に従って、会社は未払い賃金を計算し支払います。

まとめと読者へのメッセージ

私は最初、会社の言うことが正しいと思っていました。

しかし、友人のアドバイスと労働基準監督署のサポートのおかげで、自分の権利を守ることができました。

本記事のまとめ
  • 始業前の清掃や準備作業も労働時間として認められる
  • 会社の指揮命令下にある時間は賃金の支払い対象
  • 労働基準監督署に相談することで問題を解決できる
  • 未払い賃金は過去にさかのぼって請求できる
職業が工業製品製造業の体験談

技能実習生として日本で働く皆さんにお伝えしたいのは、おかしいと感じたことは我慢せずに相談してほしいということです。

日本の労働法は外国人労働者も平等に守られています。

一人で悩まず、労働基準監督署や支援団体に相談してください。

あなたの権利は必ず守られます。

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この記事を書いた人

技術・人文知識・国際業務、技能実習、特定技能専門。建設組合職員として、外国人労働者を巡るハラスメントや差別、労働条件の食い違いによる逃亡など、多くのトラブルを目の当たりにしてきました。現在は行政書士として、「外国人材と企業の双方が幸せになれる関係づくり」をミッションに活動。ミスマッチ防止・入社後サポート・定期面談を通じて、日本への失望を減らし、「日本で働いて良かった」と思える人を増やす支援を行っています。

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