
時給450円の縫製工場!虚偽報告で事業主が逮捕された事例
私は縫製業の工場で働いている技能実習生です。
来日して3年目、毎日服を縫う仕事をしていました。
しかし、私たちの給料は驚くほど低いものでした。
基本給は時給に換算するとたったの450円。
残業代も時給500円で、法律で決められた割増率を大きく下回っていました。
この状況に耐えられなくなり、私たちは証拠を集めて申告することを決意しました。

| 出身国 | 中国 |
|---|---|
| 日本語能力 | N3程度 |
| 職種 | 工業製品製造業(技能実習) |
| 就職ルート | 母国からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 言語・文化の違いによるトラブル |
| 参照元 | 厚生労働省 – 技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(平成31年・令和元年) |
まつむら最低賃金を下回る賃金の支払いや、法定の割増率を満たさない残業代の支払いは、重大な法律違反です。さらに、行政機関に虚偽の報告をすることは犯罪行為であり、逮捕・送検につながる可能性があります。
最低賃金以下の給料で働かされた日々
時給450円という衝撃の低賃金
私が働いていた縫製工場は、個人が経営する小さな会社でした。
毎日朝から晩まで働いて、月の給料は本当に少なかったです。
計算してみると、基本給は時給換算でたったの450円でした。
当時の最低賃金は900円以上だったので、半分以下ということになります。
残業をしても、時給500円しかもらえませんでした。
本来なら基本給の25%以上を上乗せした金額が必要なのに、それを大きく下回っていたのです。



最低賃金法では、すべての労働者に対して地域ごとに定められた最低賃金以上を支払うことが義務付けられています。技能実習生であっても例外ではありません。最低賃金を下回る賃金の支払いは犯罪であり、罰則が定められています。
証拠を集めて申告を決意
私たちは長い間、この状況に耐えてきました。
しかし、ある日、同じ工場で働く仲間が事業主の発言を録音していたことを知りました。
その録音には、事業主が賃金を低く抑えていることを認める発言が含まれていました。
この証拠があれば、状況を変えられるかもしれないと思いました。
私たちは労働基準監督署に申告することを決意しました。



賃金不払いの証拠として、録音データは非常に有効です。ただし、録音する際は相手の承諾なく行うことについて法的なリスクもあるため、事前に専門家に相談することをおすすめします。
事業主の虚偽報告と捜索・差押
私たちの申告を受けて、労働基準監督署は会社を調査しました。
監督署は事業主に対して、実際の賃金支払状況を報告するよう命令しました。
虚偽の賃金台帳を提出した事業主
しかし、事業主は嘘をつきました。
虚偽の賃金台帳を作成して提出し、「賃金不払いはない」と報告したのです。
私たちが申告した内容とは全く違う報告でした。
事業主は証拠を隠蔽しようとしていたのです。
- 最低賃金を下回る時給450円で技能実習生を働かせていた
- 時間外労働に対して法定割増率を下回る時給500円しか支払っていなかった
- 36協定の上限を超える長時間労働を行わせていた
- 労働基準監督署に虚偽の賃金台帳を提出して嘘の報告をした
捜索・差押で明らかになった真実
監督署は事業主の報告を疑い、捜索・差押を実施しました。
その結果、実際の賃金支払状況を記載した帳簿が発見されました。
この帳簿には、事業主が提出した虚偽の賃金台帳とは全く違う数字が書かれていました。
私たちが申告した内容が事実であることが客観的に証明されたのです。
事業主の嘘は完全に暴かれました。



捜索・差押は、証拠を確保するための強制的な手段です。裁判所の令状に基づいて行われ、事業主が隠蔽しようとした証拠も押収することができます。
事業主の逮捕と送検
捜索・差押で証拠が揃った後も、事業主は「賃金不払いはない」と主張し続けました。
監督署は、罪証隠滅のおそれがあると判断しました。
その結果、事業主は逮捕され、検察庁に送検されました。
送検された法律違反の内容
- 最低賃金法第4条第1項違反
- 最低賃金額以上の賃金を支払っていなかった
- 労働基準法第37条違反
- 法定の割増賃金を支払っていなかった
- 労働基準法第120条第5号違反
- 労働基準監督署に虚偽の報告をした
逮捕というのは非常に重い処分です。
事業主は身体の自由を奪われ、留置場に入れられました。
私たちの賃金を不当に搾取し、さらに嘘をついて隠蔽しようとした事業主に、ようやく法の裁きが下されようとしていたのです。



逮捕は、罪証隠滅や逃亡のおそれがある場合に行われます。今回のケースでは、事業主が証拠を隠蔽しようとし、捜査に協力しなかったことが逮捕の理由となりました。
賃金トラブルから身を守るために私がすべきこと
この経験から、私は多くのことを学びました。
自分の地域の最低賃金を確認する
まず、自分が働いている地域の最低賃金がいくらかを確認しましょう。
最低賃金は都道府県ごとに異なり、毎年10月頃に改定されます。
給料明細と労働時間を毎日記録する
毎月の給料明細は必ず保管してください。
また、自分でも毎日の労働時間をノートやスマートフォンに記録しておきましょう。
おかしいと思ったら証拠を集める
賃金がおかしいと感じたら、証拠を集めることが大切です。
給料明細、タイムカード、雇用契約書などを安全な場所に保管しましょう。
会話の録音も有効な証拠になりますが、法的なリスクについて事前に確認してください。
信頼できる人や団体に相談する
一人で悩まず、信頼できる仲間や監理団体、支援団体に相談しましょう。
(法テラス)では、無料で法律相談を受けることができます。
通訳サービスを利用できる場合もあります。
労働基準監督署に申告する
証拠が揃ったら、労働基準監督署に申告しましょう。
申告は無料で、匿名でも可能です。
報復を恐れず権利を主張する
会社からの報復を恐れて声を上げられない人も多いと思います。
しかし、法律は申告した労働者を保護しています。
申告を理由とした解雇や不利益な取り扱いは禁止されています。
もし報復を受けた場合は、それも労働基準監督署に報告してください。



労働基準法第104条第2項では、労働者が申告をしたことを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと定められています。報復を恐れずに、正当な権利を主張することが大切です。
まとめ:嘘は必ず暴かれる
私たちを搾取していた事業主は、虚偽の報告をして逃げようとしました。
しかし、その嘘は暴かれ、最終的に逮捕されました。
- 最低賃金を下回る賃金の支払いは犯罪行為である
- 労働基準監督署への虚偽報告は、逮捕・送検につながる重大な違法行為である
- 証拠を集めて申告すれば、悪質な事業主を法的に処罰することができる
- 申告を理由とした報復は法律で禁止されている


私はこれから、自分の権利を守るために常に賃金と労働時間を確認していきます。
最低賃金以下で働かされている技能実習生は、一人で悩まないでください。
証拠を集めて申告すれば、必ず状況は変わります。
悪質な事業主は必ず法の裁きを受けます。
勇気を出して、声を上げてください。








