
始業前の無給清掃で送検!労働時間の隠蔽発覚!
私は金属製品の工場で働いている技能実習生です。
日本に来て2年、金属の加工作業を毎日頑張っていました。
しかし、私たちは毎朝、始業時刻の前に会社が経営する小売店の清掃作業をさせられていました。
この清掃作業は技能実習計画には載っていない仕事でした。
しかも、この作業に対する賃金は一切支払われていませんでした。
おかしいと思いながらも、会社に逆らうことができず黙っていたのです。

| 出身国 | ベトナム |
|---|---|
| 日本語能力 | N4程度 |
| 職種 | 工業製品製造業(技能実習) |
| 就職ルート | 母国からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 失踪や離職に関するトラブル |
| 参照元 | 厚生労働省 – 技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況(平成31年・令和元年) |
まつむら技能実習計画に記載されていない業務を行わせることは、技能実習法に違反する行為です。また、その業務に対する賃金を支払わないことは労働基準法違反となります。このような悪質なケースは、刑事事件として送検されることもあります。
技能実習計画にない無給の清掃作業
毎朝の始業前に強制された清掃
私たちの本来の仕事は、工場で金属製品を製造することでした。
しかし、会社は工場の近くで小売店も経営していました。
毎朝、始業時刻よりも早く来て、その小売店の掃除や商品の整理をするよう命じられていました。
これは技能実習計画には全く載っていない作業でした。
私たちは金属加工の技能を学ぶために日本に来たのに、関係のない仕事をさせられていたのです。
しかも、この作業に対する賃金は1円も支払われていませんでした。



始業時刻前の業務であっても、会社の指示で行う作業は「労働時間」に該当します。労働時間に対しては賃金を支払う義務があり、支払わないことは労働基準法違反です。
外国人技能実習機構との合同調査
ある日、外国人技能実習機構と労働基準監督署の職員が会社に調査に来ました。
技能実習計画にない業務を無給で行わせている疑いがあるとのことでした。
職員の人たちは私たち技能実習生にも話を聞いてくれました。
私たちは毎朝の清掃作業のことを正直に話しました。
会社は「ボランティアでやってもらっている」と説明していましたが、実際は強制でした。
調査の結果、会社の説明が嘘であることが分かりました。



外国人技能実習機構は、技能実習制度が適正に運用されているかを監督する機関です。技能実習計画に違反する行為があれば、実習実施者に対して指導や処分を行います。
捜査で明らかになった会社の違法行為
合同調査をきっかけに、会社に対する本格的な捜査が始まりました。
捜査が進むにつれて、私たちが知らなかった会社の違法行為が次々と明らかになりました。
約1年間にわたる割増賃金の不払い
- 始業前の清掃作業に対する割増賃金(約26万円)を約1年間支払っていなかった
- 36協定の上限を超える時間外労働(最長で月約77時間)を行わせていた
- 実際より短い虚偽の労働時間記録を作成し、時間外労働を隠蔽していた
- 賃金台帳に正しい労働時間や割増賃金を記入していなかった
始業前の清掃作業は、時間外労働に該当するため割増賃金が必要でした。
私たち3名の技能実習生に対して、約1年間にわたって総額約26万円の割増賃金が支払われていませんでした。
会社は私たちに「ボランティア」と言っていましたが、実際は違法な賃金不払いだったのです。
労働時間記録の隠蔽工作
さらに悪質だったのは、会社が労働時間の記録を偽造していたことです。
私たちは終業後も長時間残業することがありましたが、会社は実際よりも短い労働時間を記録していました。
最長で月に約77時間もの時間外労働がありましたが、記録上はもっと少なく見せかけていたのです。
これは36協定で定められた上限を超える違法な時間外労働を隠すためでした。
会社は組織的に労働時間を隠蔽していたのです。



36協定とは、会社と労働者の代表が結ぶ協定で、時間外労働の上限を定めるものです。この上限を超える時間外労働は違法であり、さらに労働時間記録を偽造することは重大な法律違反となります。
会社と事業主の送検
捜査の結果、会社(法人)と事業主(社長)が検察庁に送検されました。
送検された法律違反の内容
- 労働基準法第37条第1項違反
- 割増賃金の一部を支払わなかった
- 労働基準法第32条第1項・第2項違反
- 36協定の上限を超えて時間外労働を行わせた
- 労働基準法第108条違反
- 賃金台帳に正しい労働時間を記入しなかった
送検とは、警察や労働基準監督署が捜査した事件を検察庁に送ることです。
検察官が起訴するかどうかを判断し、起訴されれば裁判で罰を受けることになります。
会社は重大な法律違反を犯していたため、このような厳しい処分を受けることになりました。



労働基準法違反の中でも、組織的な労働時間の隠蔽や、長期間にわたる賃金不払いなどの悪質なケースは、刑事事件として送検されることがあります。送検されると、事業主は刑事罰を受ける可能性があります。
同じ被害に遭わないために私がすべきこと
この経験を通じて、私は自分の権利を守ることの大切さを学びました。
技能実習計画の内容を確認する
自分がどのような仕事をすることになっているか、技能実習計画を確認しましょう。
計画に書かれていない仕事をさせられることは、法律違反の可能性があります。
計画にない仕事を命じられたら記録する
技能実習計画に載っていない仕事を命じられた場合は、日時と内容を記録しておきましょう。
スマートフォンで写真を撮ったり、メモを残したりすることが大切です。
実際の労働時間を自分で記録する
会社がタイムカードを操作している可能性もあるため、自分でも労働時間を記録しましょう。
毎日の出勤時間、退勤時間、休憩時間をノートやスマートフォンに記録してください。
この記録が後で重要な証拠になります。
監理団体や外国人技能実習機構に相談する
証拠を安全な場所に保管する
記録した情報や証拠は、会社に見つからない安全な場所に保管しましょう。
クラウドにバックアップしたり、信頼できる友人に預けたりすることをおすすめします。
労働基準監督署に申告する
監理団体や外国人技能実習機構に相談しても解決しない場合は、労働基準監督署に申告しましょう。
申告は無料で、匿名でも可能です。
通訳が必要な場合は、事前に相談すれば対応してもらえることもあります。
証拠があれば、より確実に調査を進めてもらえます。



会社が労働時間を隠蔽している場合、自分で記録した証拠が非常に重要になります。毎日コツコツと記録を続けることが、自分を守ることにつながります。
まとめ:違法行為は必ず明らかになる
私たちの会社は、労働時間を隠蔽し、賃金を不払いにしていました。
しかし、調査と捜査によって違法行為は全て明らかになり、会社は送検されました。
- 技能実習計画にない業務を行わせることは法律違反である
- 始業前の作業も労働時間に該当し、賃金が必要である
- 労働時間の隠蔽は悪質な法律違反として刑事事件になることがある
- 自分で労働時間を記録することが、権利を守る重要な手段である


私はこれから、自分の労働時間をしっかり記録し、おかしいと思ったことは声に出していきます。
会社が違法行為を隠蔽していても、必ず明らかになります。
同じように計画にない仕事をさせられている技能実習生の皆さん、諦めないでください。
外国人技能実習機構や労働基準監督署に相談すれば、必ず助けてもらえます。
一人で悩まず、勇気を出して声を上げてください。








