
突然の解雇通告!20年働いたのに会社都合で即日解雇は有効?
私は自動車部品製造会社で20年間、真面目に働いてきた外国人労働者です。
在留資格は「技能」で、日本語も問題なく話せます。
ある日突然、上司に呼ばれて「会社の業績が悪化したので、何人かクビにする。今日あなたに辞めてもらう」と言われました。
私はまだ働きたいし、生活に必要なお金もありません。
会社が勝手に決めた解雇に従わなければならないのでしょうか。

| 出身国 | – |
|---|---|
| 日本語能力 | N3程度 |
| 職種 | 工業製品製造業(技能) |
| 就職ルート | 技能実習生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 言語・文化の違いによるトラブル |
| 参照元 | 法テラス – 「会社が勝手に私をクビにしました。私はやめないとだめですか?クビの場合は、会社からお金をもらえると聞きました。私はもらえますか?」 |
まつむら会社が経営上の理由で従業員を解雇する「整理解雇」には、厳格な要件があります。人員削減の必要性、解雇回避努力、人選の合理性、手続きの妥当性の4つの要素が求められ、これらが満たされていない場合、解雇は無効となる可能性があります。また、解雇予告手当を請求する権利もありますが、注意すべき点があります。
突然の解雇通告を受けるまでの経緯
20年間真面目に働いてきた日々
私は自動車部品製造会社で20年間働いてきました。
毎日決められた時間に出勤し、製造ラインで自動車のエンジン部品を丁寧に組み立ててきました。
遅刻や欠勤はほとんどなく、上司からも「真面目で信頼できる」と評価されていました。
会社で問題を起こしたこともありませんし、同僚との関係も良好でした。
日本に来て長い間、この会社一筋で働き続けてきたのです。



長年真面目に勤務してきた従業員を解雇する場合、会社は特に慎重な判断と手続きが求められます。勤続年数の長さは、解雇の人選の合理性を判断する際の重要な要素となります。
突然告げられた解雇の通告
その日は、いつもと同じように朝から作業をしていました。
午後2時頃、上司から「ちょっと来てくれ」と呼ばれ、会議室に入りました。
そこで上司は「会社の業績が悪化して人員削減をすることになった。何人かクビにする必要があり、今日あなたに辞めてもらうことにした」と言ったのです。
突然のことで、頭が真っ白になりました。
「なぜ私なのか」「他にも辞めさせられる人がいるのか」と聞きましたが、「会社の決定だ」としか答えてもらえませんでした。
その日のうちに会社を出るように言われ、ロッカーの荷物を持って帰らされました。



即日解雇の場合、会社は解雇予告手当(30日分以上の給料)を支払う義務があります。また、整理解雇が有効となるためには、十分な説明と協議の機会を設けるなど、適切な手続きを踏む必要があります。
解雇通告後に抱いた不安と疑問
家に帰ってから、様々な不安が頭をよぎりました。
まず、私はこの解雇に従わなければならないのだろうかという疑問です。
20年も真面目に働いてきたのに、会社が一方的に決めた解雇を受け入れなければならないのでしょうか。
次に、生活費の心配です。
私には家族もいて、生活に必要なお金があります。
突然仕事を失ったら、どうやって生活していけばいいのでしょうか。
また、同僚から「クビの場合は会社からお金をもらえる」という話を聞いたことがありました。
私もそのお金をもらえるのでしょうか。



解雇が有効かどうかは、法律の要件を満たしているかどうかで判断されます。不当な解雾である場合、従う必要はありません。また、解雇予告手当は労働基準法で定められた労働者の権利です。
法テラスで調べて分かった私の権利
不安を抱えながら、友人と一緒に法テラスへ相談に行きました。
そこで、私の状況について詳しく説明したところ、重要な情報を教えてもらいました。
会社の一方的な解雇に従う必要はない可能性がある
- 人員削減の必要性:人を減らさないと会社がつぶれてしまうかどうか
- 解雇回避努力:解雇ではなく、他の方法ではだめであるか
- 人選の合理性:解雇する人を正しく選んでいるか
- 手続きの妥当性:説明など、手続きをきちんとしているか


会社が経営上の理由で従業員を解雇することを「整理解雇」といいます。
整理解雇が有効となるためには、上記の4つの要件をすべて満たす必要があります。
私の場合、会社は「業績悪化」と言っていましたが、本当に人員削減しないと会社がつぶれるほどの状況なのでしょうか。
また、配置転換や希望退職の募集など、解雇を避けるための努力はされたのでしょうか。
そして、20年も真面目に働いてきた私を解雇対象に選んだことに、合理的な理由はあるのでしょうか。
さらに、即日解雇の通告だけで、十分な説明や協議の機会はありませんでした。
これらの要件を満たしていない場合、解雇は無効となり、私は会社で働き続ける権利があります。



整理解雇の4要件は、裁判例で確立された基準です。これらの要件を満たしていない解雇は、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」として無効となります(労働契約法第16条)。
解雇予告手当を請求できるが注意が必要
- 会社が従業員を解雇する場合、30日以上前に予告する必要がある
- 予告しない場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要がある
- これは労働基準法第20条で定められた労働者の権利である
- ただし、解雇予告手当を請求すると、解雇を認めたと判断される可能性がある
私の場合、即日解雇を告げられたため、会社に30日分以上の給料を解雇予告手当として請求する権利があります。
ただし、ここで注意が必要です。
解雇予告手当を請求すると、「私が解雇を受け入れた」と会社に判断される可能性があるのです。
もし解雇の有効性を争いたい場合(つまり、会社で働き続けたい場合)は、安易に解雇予告手当を請求しない方が良いこともあります。
なお、「30日分の給料」の計算方法は法律で決まっていて、いつも受け取っている1か月分の給料より少ないことがあります。



解雇予告手当の「平均賃金」は、直前3か月間の賃金総額を、その期間の総日数で割って計算します。そのため、月給制の場合、通常の1か月分の給料よりも少なくなることが多いです。解雇の有効性を争うか、解雇予告手当を請求するかは、専門家に相談して慎重に判断することをおすすめします。
在留資格への影響と対応
解雇された場合、私の在留資格はどうなるのでしょうか。
私の在留資格は「技能」です。
この在留資格は、特定の技能を持って働くことが前提となっています。
会社を辞めた場合、在留期限または退職から3か月後のどちらか早い日までに、新しい仕事を見つけるか帰国する必要があります。
ただし、会社都合で解雇された場合は、就職活動のための「特定活動」(最長6か月)の在留資格に変更できる可能性があります。
また、働く会社が変わったことを14日以内に入国管理局に届け出る必要があります。



解雇の有効性を争っている間も、在留資格の管理は重要です。解雇が無効となれば雇用関係は継続していると考えられますが、万が一に備えて、在留資格の専門家(行政書士など)にも相談しておくことをおすすめします。
私が今すぐ行動すべき6つのステップ
法テラスでの相談を通じて、私が今すべきことが明確になりました。
解雇通告の状況を詳細に記録する
解雇を告げられた日時、場所、誰から言われたか、どのような言葉で言われたかを詳細に記録します。
上司が「業績悪化」と言った具体的な内容、他に解雇される人がいるのか聞いたときの返答なども記録しておきます。
この記録は、後に解雇の有効性を争う際の重要な証拠となります。
記憶が鮮明なうちに、できるだけ詳しく書き出しておきましょう。
証拠書類を保管する
会社から解雇通知書が出されている場合は、それを保管します。
また、雇用契約書、給与明細、就業規則、会社からのメールなど、関連する書類はすべて保管しておきます。
もし当日の会話を録音していれば、それも重要な証拠になります。
同じ職場の同僚で、当時の状況を知っている人がいれば、証言をお願いできるか確認しておくとよいでしょう。
労働基準監督署に相談する
労働問題に詳しい弁護士に相談する
解雇の有効性を争うか決断する
弁護士のアドバイスを踏まえて、解雇の有効性を争うかどうかを決断します。
会社で働き続けたい場合は、労働審判や裁判を通じて解雇無効を主張します。
一方、もう会社には戻りたくないが解雇予告手当や未払い賃金は請求したい場合は、その旨を弁護士に伝えて交渉してもらいます。
どちらの道を選ぶにしても、専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。
在留資格の管理と次の就職活動を並行する
解雇の有効性を争う場合でも、万が一に備えて次の就職先を探しておくことをおすすめします。
「技能」の在留資格で働ける仕事(同じような自動車部品製造の仕事など)を探します。
新しい会社が決まったら、14日以内に入国管理局に「所属機関等に関する届出」を提出する必要があります。
また、会社都合退職が認められた場合は、就職活動のための「特定活動」への在留資格変更も検討します。
在留資格の変更申請は複雑なため、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。



解雇の有効性を争うことと、在留資格の管理、そして次の就職活動を同時に進めるのは大変です。専門家のサポートを受けながら、優先順位をつけて一つずつ確実に進めていくことが重要です。
まとめ:同じ悩みを持つ外国人労働者へのメッセージ
私と同じように、突然の解雇通告を受けて困っている外国人労働者の方がいるかもしれません。
一人で抱え込まないでください。
私はこれから、法テラスや弁護士の力を借りて、自分の権利を守るために行動します。
会社が一方的に決めた解雇でも、法律の要件を満たしていなければ従う必要はありません。
もし解雇を受け入れる場合でも、解雇予告手当など、自分の権利はきちんと主張してください。
私たち外国人労働者にも、日本の労働法で守られる権利があります。
言葉の壁があっても、一人で悩まずに専門家に相談することが大切です。










