
「給料返せ」は誤解?言葉の壁を越えて円満退職へ
私は福祉施設で正社員として4年間働いている外国人労働者です。
在留資格は「介護」で、利用者様のケアにやりがいを感じていました。
日本語での会話は問題なくできますが、漢字が多い文書を読むのは今でも苦手です。
ある時から体調を崩し、何度か休職を繰り返すようになりました。
このまま働き続けることは体のためにならないと思い、施設に退職の相談をしました。
すると、「急に辞めるなら給料を返納しなければならない」と言われてしまいました。
不安になり、相談窓口を訪ねることにしました。

| 出身国 | ベトナム |
|---|---|
| 日本語能力 | N3程度 |
| 職種 | 介護業(介護) |
| 就職ルート | 技能実習生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 言語・文化の違いによるトラブル |
| 参照元 | 令和5年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら退職の際に「給料を返せ」と言われるケースがありますが、これは法的根拠のない要求です。働いた分の給料は必ず受け取る権利があります。言葉の問題から不安な発言を真に受けてしまうことがありますが、正しい情報を得ることが大切です。
体調不良による休職と退職の決意
繰り返す休職と傷病手当金への不安
介護の仕事は体力を使います。
利用者様を抱えたり、入浴介助をしたり、夜勤もありました。
最初は頑張れていましたが、3年目くらいから腰に痛みを感じるようになりました。
病院で診てもらうと、休職が必要だと言われました。
1回目の休職は1か月で復帰できました。
しかし復帰後すぐに痛みが再発し、また休職することになりました。
休職中は傷病手当金を申請しましたが、言葉の問題から手続きがうまくいっているのか不安でした。
申請書類は漢字が多く、自分一人では内容を理解するのが難しかったです。



傷病手当金は、健康保険に加入していれば、病気やケガで仕事を休んだときに受け取れるお金です。給料の約3分の2が支給されます。申請には医師の証明が必要ですが、言葉の問題で手続きに不安がある場合は、会社の担当者や法テラスなどに相談することをおすすめします。
退職を相談したら「給料返納」と言われた
休職を繰り返すうちに、このまま働き続けることは体のためにならないと考えるようになりました。
思い切って施設の上司に退職の相談をしました。
すると上司は難しい顔をして、「急に辞めるならば給料を返納しなければならない」と言いました。
私は驚いて、意味がよくわかりませんでした。
「働いた分のお金を返さなければいけないのですか?」と聞きましたが、はっきりした答えはありませんでした。
退職すること自体が悪いことなのか、どうしたらいいのかわからなくなりました。
このまま一人で悩んでいても解決しないと思い、相談窓口を探すことにしました。



労働者には退職の自由があり、これは外国人労働者も同じです。「給料を返せ」という要求には法的根拠がありません。会社が支払った研修費用などを返還させようとするケースもありますが、違法な場合が多いです。不安な発言をされたら、必ず専門家に相談してください。
相談窓口で判明した施設側の本意
相談窓口を訪ねて、これまでの経緯を説明しました。
相談員の方は私の話をじっくり聞いてくれました。
まず、私の退職の意思を確認されました。
「どうしても退職したい」という気持ちは変わりませんでした。
相談員の方は、退職届の見本を見せてくれて、書面で意思表示するよう助言してくれました。
そして、施設側にも事情を確認してくれることになりました。
施設側の言葉の真意が明らかに
- 会社側の意図と外国人労働者の受け取り方のズレ
- 専門用語や表現の誤解
- 文化的背景の違いによる解釈の相違


相談窓口が施設側に事情を確認してくれました。
施設側の説明によると、「退職することは本人のためにならないと考え、不安にさせてしまう発言を安易にしてしまった」とのことでした。
つまり、「給料を返せ」という意味ではなかったようです。
施設側は私に辞めてほしくなくて、引き止めようとしていたのです。
ただ、その伝え方が不適切で、私を不安にさせてしまったのでした。



外国人労働者と日本人雇用主の間では、言葉の問題から誤解が生じやすいです。今回のケースでは、施設側に悪意はなかったものの、発言が不適切でした。このようなトラブルを防ぐためには、重要な話は書面で確認する、通訳を介して話す、などの工夫が有効です。
日本語でのコミュニケーションの課題
- 重要な説明は「やさしい日本語」を心がける
- 書面を使って内容を確認する
- 理解しているかどうかを丁寧に確認する
- 不安を与える表現は避ける
相談窓口は、施設側に対して、外国人労働者との意思疎通で起こりやすいトラブルとその防止策についてアドバイスしてくれました。
そして私に対しても、施設側に悪意はなかったことを説明してくれました。
私は施設側の本当の気持ちを知って、少し安心しました。
それでも、体調のことを考えると退職の意思は変わりませんでした。



「やさしい日本語」とは、外国人にもわかりやすいように配慮した日本語のことです。難しい言葉を避け、短い文で話す、ゆっくり話す、漢字にふりがなをつけるなどの工夫をします。企業が外国人労働者を雇用する際は、やさしい日本語の活用が推奨されています。
円満退職に向けて私が今すぐ行動すべき6つのステップ
相談窓口のサポートを受けながら、退職に向けた手続きを整理しました。
退職届を書面で作成する
相談窓口からもらった見本を参考に、退職届を書面で作成しました。
口頭だけでなく書面で意思表示することで、後からトラブルになることを防げます。
日付、退職理由、退職希望日を明記しました。
傷病手当金の受給状況を確認する
休職中に申請した傷病手当金がきちんと受け取れているか確認しました。
健康保険組合に問い合わせて、支給状況を確認してもらいました。
退職後も一定期間は傷病手当金を受け取れる場合があることも教えてもらいました。
退職日と引き継ぎ期間を調整する
相談窓口を通じて、施設側と退職日の調整を行いました。
体調を考慮して、無理のないスケジュールで引き継ぎを行うことになりました。
施設側も私の意思を尊重して、円満な退職を目指してくれました。
有給休暇の残日数を確認して消化する
4年間働いていたので、有給休暇がかなり残っていました。
退職前に有給休暇を消化する権利があることを知りました。
残っている有給休暇をすべて消化してから退職することになりました。
これにより、退職日までの生活費の心配が少し減りました。
離職票と社会保険の手続きを確認する
次の在留資格と就職活動について計画する
退職後の在留資格について、入管に届け出る必要があります。
「介護」の在留資格は、介護の仕事を続ける場合は転職が可能です。
体調が回復したら、負担の少ない職場で介護の仕事を続けることを検討しています。
まずは体を休めて、ゆっくり次のステップを考えることにしました。



退職後14日以内に、入国管理局に「所属機関等に関する届出」を提出する必要があります。これを怠ると、在留資格に影響が出る可能性がありますので、忘れずに手続きを行ってください。
まとめ:同じ悩みを持つ外国人労働者に伝えたいこと
「給料を返せ」と言われた時は、本当に不安でした。
でも、相談窓口に行ったことで、それが誤解だとわかりました。
- 「給料を返せ」という要求には法的根拠がない
- 言葉の問題から誤解が生じやすいので書面で確認することが大切
- 退職届は書面で作成し意思を明確にする
- 相談窓口を利用すれば円満退職への道筋が見える


私はこの経験を通じて、わからないことは一人で悩まず、誰かに相談することの大切さを学びました。
言葉の壁があると、会社の言葉を誤解してしまうことがあります。
でも、第三者が間に入ってくれれば、お互いの本当の気持ちがわかります。
今は体を休めながら、次の仕事を探しています。
同じように退職で悩んでいる方がいたら、ぜひ相談窓口を訪ねてみてください。








