
留学生の租税条約免除手続きが進まない
私は中国から来日した留学生です。
アルバイトをしながら大学で勉強していましたが、引っ越し後に前の住所の市役所から突然、納税通知書が届きました。
市役所に問い合わせると、「租税条約に基づく免除書類を会社が提出すれば、市民税を払う必要はない」と教えてもらいました。
しかし、すでに退職していた飲食店のアルバイト先に連絡しても、本社に連絡しても、たらい回しにされるばかりで何も進みませんでした。

| 出身国 | 中国 |
|---|---|
| 日本語能力 | N2程度 |
| 職種 | 外食業(留学) |
| 就職ルート | 留学生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 言語・文化の違いによるトラブル |
| 参照元 | 令和2年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら租税条約とは、日本と外国との間で結ばれた税金に関する取り決めです。中国をはじめ多くの国と締結されており、留学生のアルバイト収入が一定条件下で免税になる場合があります。ただし、免除を受けるには会社と本人の両方で手続きが必要です。
納税通知書が届くまでの経緯
引っ越し後に届いた突然の通知
大学の近くに引っ越してから数か月後のことでした。
前に住んでいた市から、市民税の納税通知書が届いたのです。
金額を見て驚きました。
留学生の私にとっては大きな負担でした。
日本の税金の仕組みがよく分からなかったので、まず市役所に電話で問い合わせることにしました。
市役所の担当者は親切に説明してくれて、「租税条約に基づく免除制度がある」と教えてくれました。
それによると、アルバイト先の会社が免除のための書類を提出すれば、市民税を払わなくてよいとのことでした。



日中租税条約では、教育を受けるために日本に滞在する中国からの留学生が受け取る給付や、生計・教育のための役務提供による所得は、一定の条件の下で免税となります。この制度を利用するには、事業主による届出が必要です。
元アルバイト先への連絡と対応の遅れ
市役所で制度を教えてもらった後、すぐに元アルバイト先の飲食店に連絡しました。
店長に事情を説明し、租税条約の免除書類を提出してほしいとお願いしました。
店長は「調べて折り返し連絡する」と言ってくれましたが、それきり何の連絡もありませんでした。
何度か電話をしても、「確認中です」と言われるだけでした。
仕方なく本社に連絡しましたが、「勤務していた店舗に連絡してください」と言われるだけで、具体的な対応をしてもらえませんでした。
納税期限が近づいているのに、どうすればいいか分からず途方に暮れていました。



退職後でも、元の勤務先には労働者の権利に関わる書類を発行する義務があります。対応してもらえない場合は、労働基準監督署や外国人労働者向けの相談窓口に相談することで、会社への働きかけを依頼できます。
相談窓口を見つけて状況を整理
困り果てていた時、大学の先輩から外国人向けの相談センターがあることを教えてもらいました。
センターに行って状況を説明したところ、まず市役所に制度の詳細を確認してから、会社に働きかけてくれると言ってもらえました。
私一人では会社に何度連絡しても進まなかったことが、専門家の力を借りることで動き始めたのです。



外国人労働者向けの相談窓口は、言語の壁や制度の複雑さで困っている方の強い味方です。通訳サービスがあるところも多く、会社との交渉も代わりに行ってくれる場合があります。
相談センターの介入で判明した事実
センターの担当者が会社の本社に連絡してくれました。
会社側の事情と対応の遅れた理由
- 租税条約に基づく免除手続きの詳細を把握していなかった
- 新型コロナウイルス感染症への対応に追われていた
- 店舗と本社の連携が不十分だった
- 退職者への対応が後回しになっていた
センターを通じて会社に連絡した結果、会社から謝罪の言葉がありました。
租税条約に基づく課税免除の手続きについて詳細を把握しておらず、さらに新型コロナウイルス感染症への対応に追われていたため、確認と手続きが遅れてしまったとのことでした。
会社として悪意があったわけではなく、単に制度を知らなかったことと、業務が忙しかったことが原因だったのです。



租税条約に基づく免除制度は、企業の人事・経理担当者でも詳しく知らない場合があります。特にアルバイトの多い飲食業では、留学生への対応に不慣れなケースも少なくありません。
書類の交付と手続きの完了
租税条約免除に必要な手続き先
- 会社での手続き
- 租税条約に関する届出書の作成・提出
- 税務署での手続き
- 届出書の受理・確認
- 市役所での手続き
- 住民税の免除申請
会社がセンターの依頼を受けて、すぐに必要書類の処理を行ってくれました。
書類が交付された後、私は税務署と市役所で必要な手続きを行いました。
最終的に、租税条約に基づく課税免除が認められ、市民税を支払う必要がなくなりました。



租税条約に基づく免除を受けるためには、会社から交付された書類を持って税務署と市役所の両方で手続きを行う必要があります。期限内に手続きを完了することが重要です。
同じ問題を解決するための行動計画
私の経験をもとに、同じような問題を抱える留学生の方に向けて、具体的な行動計画をまとめました。
納税通知書の内容を確認し期限を把握する
まず、届いた納税通知書の内容をしっかり確認しましょう。
納付期限がいつなのか、金額はいくらなのかを把握することが重要です。
日本語が難しい場合は、大学の留学生課や友人に相談して内容を理解しましょう。
市役所で租税条約免除制度について相談する
納税通知書を発行した市役所に電話または窓口で相談します。
「租税条約に基づく免除制度を利用したい」と伝え、どのような書類が必要か、どこに提出すればよいかを確認しましょう。
多くの市役所では外国語対応や通訳サービスがあります。
元アルバイト先に免除書類の提出を依頼する
元アルバイト先の店舗または本社に連絡し、租税条約に基づく免除書類の提出を依頼します。
連絡した日時、相手の名前、言われた内容を必ずメモしておきましょう。
「調べて連絡する」と言われた場合は、いつまでに連絡がもらえるか期限を確認することが大切です。
対応がない場合は相談窓口に助けを求める
会社から連絡がない、または対応してもらえない場合は、外国人向けの相談窓口に相談しましょう。
外国人労働者向け相談ダイヤルや各地域の相談センターでは、会社への働きかけを代行してくれます。
一人で悩まず、専門家の力を借りることが解決への近道です。
書類を受け取ったら税務署と市役所で手続きする
会社から免除に関する書類を受け取ったら、まず税務署に届出書を提出します。
その後、市役所で住民税の免除申請を行います。
パスポートや在留カード、学生証なども必要になる場合があるので、事前に確認して持参しましょう。
免除が認められたか結果を確認する
手続き完了後、市役所から免除の結果について通知があります。
通知が届かない場合は、市役所の税務課に問い合わせて確認しましょう。
免除が認められた場合は、最初の納税通知書は無効になります。
もし既に支払ってしまった場合は、還付手続きについても相談してください。



租税条約に基づく免除制度は、知っているかどうかで大きな差が出ます。留学生の皆さんは、アルバイトを始める時点でこの制度について会社に確認しておくことをおすすめします。
まとめ:同じ悩みを持つ留学生に伝えたいこと
日本の税金の仕組みは複雑で、留学生にとっては分かりにくいことがたくさんあります。
私も最初は一人で何とかしようとして、とても苦労しました。
- 租税条約に基づく免除制度で留学生のアルバイト収入が免税になる場合がある
- 会社が免除書類を提出しないと制度を利用できない
- 対応してもらえない場合は外国人向け相談窓口に相談する
- 専門家の介入で会社も対応してくれるようになる


今回の経験で学んだことは、困った時は一人で抱え込まず、専門の相談窓口を利用することの大切さです。
会社が対応してくれないのは、悪意があるわけではなく、制度を知らないだけの場合もあります。
専門家が間に入ることで、スムーズに問題が解決することも多いのです。
同じような問題で困っている留学生の皆さん、諦めないでください。
正しい知識を持ち、適切な窓口に相談すれば、必ず道は開けます。








