
退職後に源泉徴収票がもらえない時の対処法
私は教育関連の会社で正社員として働いていた外国人です。
在留資格は「技術・人文知識・国際業務」で、語学講師の仕事をしていました。
上司からのハラスメントが続き、転職を決意して退職届を提出しました。
退職後、転職先の手続きで源泉徴収票が必要になり、会社に請求しました。
しかし会社からは「会社に来て取りに来るように」と言われただけで、郵送してもらえませんでした。
退職までの間、上司から退職について責められ続けていた私は、もう一度会社に行くことに強い抵抗がありました。

| 出身国 | フィリピン |
|---|---|
| 日本語能力 | N2 |
| 職種 | 工業製品製造業(技術・人文知識・国際業務) |
| 就職ルート | 留学生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 言語・文化の違いによるトラブル |
| 参照元 | 令和元年年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら源泉徴収票は、所得税法で退職後1か月以内に交付することが義務付けられています。会社が交付を拒否したり、不当に遅らせたりする場合は、税務署に相談することができます。転職先への入社手続きを円滑に進めるためにも、早めに対処しましょう。
ハラスメントから退職に至るまでの経緯
上司からの継続的なハラスメント
私は教育関連の会社で語学講師として働いていました。
入社当初は順調でしたが、あるときから上司の態度が変わりました。
授業の進め方について細かく指摘されるようになり、他の講師の前で怒鳴られることもありました。
「お前の教え方は下手だ」「生徒からクレームが来ている」と言われましたが、具体的な内容は教えてもらえませんでした。
生徒に直接聞いても、特に不満はないと言われました。
このような状態が半年以上続き、精神的に限界を感じるようになりました。



根拠のない叱責や、人前での侮辱的な発言は、パワーハラスメントに該当する可能性があります。このような状況に置かれた場合は、日時や内容を記録しておくことが重要です。
退職を決意したものの強く慰留された
転職先を見つけ、退職届を提出することにしました。
しかし上司は私の退職を認めようとしませんでした。
「人手不足なのに辞めるのは無責任だ」「引き継ぎもせずに辞めるつもりか」と毎日のように責められました。
退職届を受け取ってもらうまでに1か月以上かかりました。
その間、精神的なストレスは増すばかりでした。
ようやく退職が認められ、会社を辞めることができました。
これでやっと平和な生活が送れると思っていたのですが、新たな問題が発生しました。



退職届を提出しても会社が受け取らない場合は、内容証明郵便で送付する方法があります。法律上、労働者は2週間前に申し出れば退職する権利があり、会社の同意は必要ありません(期間の定めのない雇用の場合)。
源泉徴収票をめぐる会社との対立
転職先への入社手続きのため、前の会社に源泉徴収票を請求しました。
源泉徴収票は、その年に受け取った給与と納めた税金が記載された書類です。
年末調整や確定申告、転職先での税金計算に必要なものです。
電話で会社に連絡したところ、「会社に来て取りに来るように」と言われました。
郵送してほしいと頼みましたが、「本人確認が必要だから直接来てください」の一点張りでした。
退職前に散々嫌な思いをした会社に、もう一度行くことは考えられませんでした。
なぜ郵送してもらえないのか、納得できないまま日が過ぎていきました。



所得税法では、会社は退職者に対して退職後1か月以内に源泉徴収票を交付する義務があります。郵送を拒否する正当な理由はなく、「直接取りに来い」という対応は適切ではありません。
相談センターを通じて解決した経緯
困った末に、労働相談センターに相談することにしました。
会社側の言い分と実際の状況
- 会社は「退職手続きが完了していない」と主張
- 会社は私の勤務態度に問題があったと考えていた
- しかし書類は既に送付しているはずだと主張
- 実際には郵送されていなかった可能性


センターが会社に事情を聴いたところ、会社側の言い分は私の認識と異なっていました。
会社は「本人は退職手続きを取っておらず、勤務態度にも問題があった」と主張しました。
しかし同時に「書類は既に送付しているはずだ」とも言いました。
私は書類を受け取っていなかったので、これは矛盾していました。
センターの介入により、会社は源泉徴収票を郵送する義務があることを認識しました。



退職手続きの完了の有無に関わらず、会社は給与を支払った事実があれば源泉徴収票を交付する義務があります。会社が交付を拒否する場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出」を提出することで、税務署から会社に指導が入ります。
所得税法に基づく会社の義務
- 会社は退職後1か月以内に交付する義務がある(所得税法第226条)
- 交付を拒否した場合、税務署から是正指導が行われる
- 悪質な場合は罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)の対象となる
- 直接取りに来ることを条件にすることは認められない
センターから会社に対し、所得税法の内容が説明されました。
源泉徴収票は退職後1か月以内に交付することが法律で義務付けられています。
「直接取りに来い」という対応は法的に認められません。
この説明を受けて、会社は速やかに源泉徴収票を郵送することになりました。
源泉徴収票が届かない場合の対応方法
- まず会社に請求
- 電話やメールで正式に請求する
- 請求した日時と内容を記録しておく
- 応じない場合
- 労働相談センターに相談する
- 税務署に不交付の届出をする
- 急ぎの場合
- 転職先に事情を説明する
- 給与明細等で代用できるか確認する



会社との直接交渉が難しい場合は、第三者機関を通じて対応することで、スムーズに解決できることがあります。感情的な対立を避け、法的な権利に基づいて冷静に対処することが重要です。
私が今すぐ行動すべき6つのステップ
センターのおかげで源泉徴収票を受け取ることができました。
今後、同じような状況にならないために、私がすべきことを整理しました。
受け取った源泉徴収票の内容を確認する
源泉徴収票が届いたら、まず内容を確認します。
給与の金額や源泉徴収税額が、給与明細と一致しているか確認しましょう。
転職先に源泉徴収票を提出する
転職先の人事担当者に源泉徴収票を提出します。
これにより、転職先での年末調整で正確な税金計算ができるようになります。
その他の退職書類を確認する
源泉徴収票以外にも、退職時に受け取るべき書類があります。
離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳(または基礎年金番号通知書)などが必要です。
不足している書類があれば、会社に請求しましょう。
入国管理局への届出を行う
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で転職した場合、所属機関の変更届出が必要です。
退職と入社のそれぞれについて、14日以内に届出を行いましょう。
届出を怠ると、在留資格の取消事由になる可能性があります。
住所変更があれば届出をする
転職に伴い引っ越しをした場合は、在留カードの住居地届出も必要です。
転入届と同時に市区町村の窓口で手続きできます。
今後のトラブル予防のための記録を整理する
今回のトラブルに関する記録(会社とのやり取り、センターへの相談内容など)を整理して保管します。
万が一、今後も問題が発生した場合の証拠になります。
また、前の会社でのハラスメントの記録も保管しておきましょう。
労働問題には時効がありますが、記録があれば後から対応できる可能性が広がります。



退職時の手続きは複雑ですが、一つずつ確実に進めることが大切です。分からないことがあれば、法テラスや外国人相談窓口に相談してください。
まとめ:同じ悩みを持つ外国人労働者に伝えたいこと
私と同じように、退職後の手続きでトラブルを抱えている方がいるかもしれません。
泣き寝入りする必要はありません。
- 源泉徴収票は退職後1か月以内に交付される法的義務がある
- 「直接取りに来い」という対応は法的に認められない
- 会社が応じない場合は相談センターや税務署に相談できる
- 転職時は入国管理局への届出も忘れずに行う


私は相談センターの助けを借りて、無事に源泉徴収票を受け取ることができました。
会社との直接交渉が難しい時は、第三者機関を頼ることが解決の近道です。
日本には外国人労働者を支援する窓口がたくさんあります。
困った時は一人で悩まず、専門家の力を借りてください。
私たちには、正当な権利を主張する力があります。








