
突然の自宅待機命令!休業手当を勝ち取った体験談
私は教育機関でパートタイムの講師として働いていた外国人です。
在留資格は「技術・人文知識・国際業務」で、語学を教えていました。
ある日突然、上司から呼ばれて「生徒が集まらないので、明日から自宅待機してください」と言われました。
契約期間はまだ2か月も残っていたのに、仕事がなくなってしまったのです。
自宅待機の間の給料がどうなるのか聞くと、「仕事がないから払えない」と言われました。
私は契約期間中の収入を当てにして生活していたので、とても困りました。

| 出身国 | – |
|---|---|
| 日本語能力 | N2程度 |
| 職種 | 宿泊(技術・人文知識・国際業務) |
| 就職ルート | 留学生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル |
| 参照元 | 平成29年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら会社の都合で仕事を休ませる場合、労働基準法第26条により「休業手当」として平均賃金の60%以上を支払う義務があります。生徒が集まらないという理由は会社側の責任であり、労働者に給料を払わない理由にはなりません。契約期間内であれば、休業手当を請求する権利があります。
突然の自宅待機命令から問題が発覚するまで
生徒が集まらないという理由での自宅待機
私は週に4日、語学教室で働いていました。
契約期間は3か月で、まだ1か月しか働いていない頃でした。
ある朝、出勤すると上司から話があると言われました。
「あなたのクラスに生徒が集まらなくなった。明日から当面の間、自宅で待機してほしい」
突然のことで驚きました。
私は「その間の給料はどうなりますか」と聞きました。
すると上司は「仕事がないのだから給料は出せない。早く次の仕事を見つけた方がいい」と言いました。
でも、私は3か月の契約を結んでいます。
契約期間中の収入があると思って生活の計画を立てていたのです。



有期雇用契約(期間を決めた契約)の場合、契約期間中は原則として双方が契約を守る義務があります。会社の都合で仕事を与えられない場合でも、労働者は休業手当を請求できます。「仕事がないから払えない」という説明は、法的には認められません。
雇用契約書の問題が浮上
実は入社時、雇用契約書を作っていませんでした。
口頭で「3か月働いてほしい」と言われ、私もそれに同意して働き始めました。
しかし働き始めてから、ビザの更新のために雇用契約書が必要だと気づきました。
会社にお願いして、後から雇用契約書を作ってもらいました。
そこには「雇用期間:3か月」と書かれていました。
自宅待機を命じられた後、この契約書を根拠に休業手当の支払いを求めました。
すると会社は驚くべきことを言いました。
「あの契約書はビザのために作っただけ。本当は最初から短期間のつもりだった」
会社は私の要求を拒否しました。



「ビザのために作った契約書」という言い訳は法的に通用しません。書面で作成された雇用契約書は、その内容が労使間の約束として法的効力を持ちます。会社が後から「形式的だった」と主張しても、契約書の内容が優先されます。
相談窓口での助言と会社との交渉
このままでは生活ができなくなると思い、外国人労働者の相談窓口に行きました。
相談員の方は私の話を聞いて、会社に事情を聴いてくれることになりました。
会社からの回答は、やはり私への説明と同じでした。
しかし相談員は、会社の主張には法的な問題があると指摘しました。
休業手当を請求できる理由
- 労働基準法第26条:会社の責任で休業させる場合、平均賃金の60%以上を支払う義務
- 生徒が集まらないのは会社の経営上の問題であり、労働者の責任ではない
- 雇用契約書に記載された期間中は、会社は雇用を保障する義務がある
相談員が会社に法律の内容を説明したところ、会社も態度を変えました。
「これ以上トラブルを大きくしたくない」という理由で、会社は譲歩する姿勢を見せました。



多くの会社は、法律違反を指摘されると態度を変えます。労働基準法違反は刑事罰の対象にもなり得るため、会社にとってもリスクが大きいのです。専門家を通じて交渉することで、スムーズに解決できるケースは多いです。
契約期間満了までの休業手当で合意
休業手当と通常の給与の違い
- 休業手当
- 平均賃金の60%以上が法定の最低ライン
- 会社都合で仕事がない場合に支払われる
- 通常の給与
- 契約書に記載された全額
- 実際に働いた場合に支払われる
- 交渉のポイント
- 60%は最低ライン。交渉次第で増額も可能
- 転職活動の時間確保も考慮に入れる
話し合いの結果、契約書に記載された3か月の契約期間満了までの休業手当を会社が支払うことで合意しました。
私は次の仕事を探す時間を確保しながら、生活費の心配をせずに済むようになりました。
- 支払い金額と支払い時期を明確に記載する
- 契約終了日を確認する
- 離職票の退職理由(会社都合か自己都合か)を確認する
- 書面に署名をもらい、コピーを保管する



合意が成立した場合は、必ず書面に残してください。口頭の約束だけでは、後から「そんなことは言っていない」とトラブルになる可能性があります。相談窓口の方に合意書の作成を手伝ってもらうことをおすすめします。
同じ状況で取るべき6つの行動
私の経験から、契約途中で自宅待機を命じられた方へのアドバイスをまとめました。
雇用契約書の内容を確認する
まず、手元にある雇用契約書を確認してください。
契約期間、勤務日数、給与額が記載されているはずです。
契約書がない場合は、会社に発行を求めることができます。
自宅待機命令の内容を記録する
いつ、誰から、どのような理由で自宅待機を命じられたかを記録します。
できればメールやLINEなど、文字に残る形で会社に確認してください。
会社に休業手当の支払いを書面で求める
労働基準法第26条に基づき、休業手当(平均賃金の60%以上)の支払いを求める書面を会社に提出します。
メールでも構いませんが、送信記録を残しておきましょう。
相談窓口で書面の書き方を教えてもらうこともできます。
相談窓口に連絡する
外国人労働者向け相談ダイヤルや各地の労働局に設置されている相談窓口を利用してください。
相談員が会社との交渉を手伝ってくれます。
話し合いで解決を目指す
多くの場合、話し合いで解決できます。
感情的にならず、法律に基づいた主張をすることが大切です。
解決しない場合は労働基準監督署へ
話し合いで解決しない場合は、労働基準監督署に申告することができます。
労働基準監督署は会社を調査し、法律違反があれば是正を命じる権限があります。
また、法テラスで弁護士に相談することも検討してください。



自宅待機命令を受けたとき、「自分から辞める」と言わないように注意してください。自己都合退職になると、失業手当の受給条件が不利になります。まずは相談窓口に連絡して、取るべき対応を確認しましょう。
まとめ:突然の自宅待機で悩む外国人労働者へ
契約期間の途中で突然仕事がなくなるのは、本当に不安なことです。
特に外国人労働者にとって、収入がなくなることは生活だけでなく在留資格にも影響します。
- 会社都合の自宅待機には休業手当(平均賃金の60%以上)を請求できる
- 「仕事がないから払えない」は法的に認められない
- 雇用契約書に記載された期間は会社が守る義務がある
- 相談窓口を通じた交渉で解決できることが多い


私は相談窓口の方のおかげで、契約期間満了までの休業手当を受け取ることができました。
「仕方ない」と諦めず、まずは相談してみてください。
法律はあなたを守っています。
権利を知ることが、自分を守る第一歩です。








