
売上トップなのに解雇?勧奨退職の対処法
私は卸売・小売業で営業として15年間働いてきた外国人です。
在留資格は「技術・人文知識・国際業務」で、日本語での商談も問題なくこなせるレベルです。
ある日、上司から呼び出され、「営業成績不振を理由に、自己都合退職に応じなければ解雇となり、退職金も半額になる」と告げられました。
しかし、私は前年度の売り上げがトップだったのです。
納得がいかないまま、社長との話し合いを試みましたが、威圧的な態度に耐えられず、交渉は進展しませんでした。
このままでは不利な条件で退職させられてしまうと思い、相談窓口に助けを求めました。

| 国 | – |
|---|---|
| 日本語能力 | N1程度 |
| 職種 | 工業製品製造業(技術・人文知識・国際業務) |
| 就職ルート | 留学生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 失踪や離職に関するトラブル |
| 参照元 | 平成27年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら営業成績がトップにもかかわらず「成績不振」を理由とした退職勧奨は、その合理性が大いに疑われます。自己都合退職を強要されそうになっても、慌てて応じる必要はありません。退職金や雇用保険の受給条件をしっかり確認し、不利にならない退職条件を交渉することが大切です。
突然の退職勧奨から交渉が難航するまでの経緯
売上トップだったのに営業成績不振と言われた
その日は普段通り、午前中の営業を終えて会社に戻ったところでした。
上司から「ちょっと話がある」と会議室に呼び出され、信じられない言葉を聞かされました。
「君の営業成績が不振なので、自己都合で退職してほしい。応じなければ解雇となり、退職金も半額になる」
私は耳を疑いました。
前年度の売り上げは部署内でトップの成績だったからです。
15年間、真面目に営業活動を続け、顧客との信頼関係も築いてきました。
なぜ私がこのような扱いを受けるのか、全く理解できませんでした。



退職勧奨とは、会社が労働者に対して退職を促すことです。解雇とは異なり、あくまで「お願い」ですので、労働者はこれを拒否することができます。会社が虚偽の理由で退職を強要したり、退職に応じなければ不利益を与えると脅すことは違法です。
社長との交渉は威圧的な態度で進展せず
納得がいかなかった私は、退職条件について会社と話し合うことにしました。
退職金と雇用保険の受給で不利にならなければ、退職することも視野に入れていました。
しかし、社長との話し合いは予想以上に辛いものでした。
社長は終始威圧的な態度で、私の言い分を聞こうともせず、一方的に会社の方針を押し付けてきました。
何度か話し合いの場を設けましたが、交渉は全く進展しませんでした。
精神的にも追い詰められ、このままでは正当な権利を守れないと感じ、相談窓口を訪れることにしました。



会社との交渉がうまくいかない場合、第三者機関に間に入ってもらうことで解決するケースが多いです。労働相談窓口や労働基準監督署、弁護士など、一人で抱え込まずに専門家の力を借りることが重要です。
会社側の主張と私が本当に知りたかったこと
相談窓口の担当者が会社に状況を確認してくれました。
すると、会社側から予想外の主張が出てきました。
会社は、私が社内手続きに反して前金を受領せずに契約を行い、結果的に数百万円の損害を生じさせたと述べたのです。
確かに、以前そのような取引はありました。
しかし、それは顧客との長年の信頼関係に基づいた判断であり、意図的に会社に損害を与えようとしたわけではありません。
私が本当に知りたかったのは、このような状況で退職した場合、退職金や雇用保険がどうなるのかということでした。



会社が主張する「損害」が本当に労働者の責任によるものかは慎重な検討が必要です。また、仮に一定の責任があったとしても、それが直ちに解雇や退職金減額の正当な理由になるわけではありません。会社の主張を鵜呑みにせず、客観的な事実を確認することが大切です。
相談窓口で知った退職の種類と私の権利
相談窓口の担当者から、退職にはいくつかの種類があり、それぞれ退職金や雇用保険の受給条件が異なることを教えてもらいました。
発見①:退職の種類によって条件が大きく変わる
退職の種類と条件の違い
- 自己都合退職
- 雇用保険は12か月以上加入+2か月の給付制限
- 退職金は会社規定による(減額の可能性あり)
- 会社都合退職(解雇)
- 雇用保険は6か月以上加入で給付制限なし
- 退職金は通常支給(解雇予告手当も対象)
- 勧奨退職(合意退職)
- 雇用保険は会社都合と同等の扱いが可能
- 退職金は会社との交渉次第で有利な条件も
「勧奨退職」として処理されれば、雇用保険の受給で不利にならない可能性があることを知りました。
自己都合退職では、雇用保険の受給に2か月の給付制限がつきます。
しかし、勧奨退職であれば会社都合と同様の扱いとなり、給付制限なしで受給できる場合があるのです。



勧奨退職の場合、離職票の退職理由欄には「事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職」などと記載されることがあります。ハローワークで失業給付の手続きをする際に、実際の状況を説明することで適切な判定を受けられます。
発見②:交渉次第で退職条件は変わる
- 退職理由の記載(自己都合か会社都合か勧奨退職か)
- 退職金の支給額と支払時期
- 未消化の有給休暇の取り扱い


相談窓口の担当者が会社と粘り強く交渉を続けてくれました。
その結果、会社から「勧奨退職として取り扱う」という通知を受けることができました。
これにより、退職金は減額されず、雇用保険の受給でも不利にならないことが確認できたのです。
一人では威圧的な社長に立ち向かえなかった私にとって、第三者の介入は本当に心強いものでした。



退職条件の交渉は、書面でやり取りを残すことが重要です。口約束だけでは後から「そんなことは言っていない」と言われる可能性があります。合意した内容は必ず書面化し、双方で署名することをおすすめします。
私が今すぐ行動すべき6つのステップ
相談窓口での助言を受けて、私が取るべき行動が明確になりました。
退職勧奨の経緯を詳細に記録する
退職を勧められた日時、場所、誰から、どのような言葉で言われたかを詳細に記録します。
「営業成績不振」という理由が事実と異なることを示すためにも、正確な記録は重要です。
営業成績や実績の資料を保管する
前年度の売り上げがトップだったことを証明できる資料を集めておきましょう。
社内で発表された成績表、表彰状、メールでの評価などがあれば保管しておくと有利です。
退職条件を書面で確認する
会社から提示された退職条件について、書面で正式に確認を求めます。
退職理由、退職金の金額、支払時期、有給休暇の取り扱いなど、重要な項目を明確にしましょう。
口頭での約束だけでなく、書面で残すことがトラブル防止につながります。
勧奨退職としての処理を確認する
離職票に記載される退職理由が「勧奨退職」または「会社都合」となることを確認します。
「自己都合退職」と記載されると、雇用保険の受給で不利になる可能性があります。
会社からの通知書や合意書に退職の種類が明記されているか確認しましょう。
退職金と有給休暇を確定させる
15年間の勤続に見合った退職金が支払われることを確認します。
未消化の有給休暇がある場合は、退職前に消化するか買い取りの交渉を行いましょう。
ハローワークで失業給付の手続きを行う
退職後は速やかにハローワークで失業給付の手続きを行います。
勧奨退職の場合、会社都合と同様の扱いとなり、給付制限なしで受給できる可能性があります。
離職票の退職理由に疑問がある場合は、窓口で実際の状況を説明しましょう。
まとめと読者へのメッセージ
納得のいかない理由で退職を迫られたとき、一人で会社と戦うのは本当に大変です。
私も威圧的な社長の態度に押され、何度も諦めそうになりました。
- 退職勧奨は拒否することができ、自己都合退職に応じる義務はない
- 勧奨退職なら雇用保険の受給で不利にならない可能性がある
- 退職条件は交渉次第で変わるため、書面で確認することが重要
- 一人で解決が難しい場合は第三者機関に相談する


相談窓口の助けを借りて、私は最終的に勧奨退職として適切な条件で退職することができました。
気持ちの整理もつき、次のステップに進む決意ができています。
もし同じような状況で悩んでいる方がいたら、一人で抱え込まないでください。
専門家の力を借りることで、道は必ず開けます。








