
業務用携帯電話の費用負担を強いるうえに退職拒否
私は大学に通いながら、新聞販売店でアルバイトをしている外国人留学生です。
学業が忙しくなり、アルバイトを辞めたいと店長に伝えました。
しかし店長は「人がいないからもう少し続けてほしい」と言って、退職届を受け取ってくれません。
さらに、仕事で使っていた携帯電話の料金を自分で払わされていたこと、辞める時には解約料も自分で払うよう言われました。
辞めることもできず、お金の問題も抱えて、どうすればいいか分からなくなりました。

| 国 | – |
|---|---|
| 日本語能力 | N2程度 |
| 職種 | 自動車運送業(資格外活動許可) |
| 就職ルート | 留学生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル |
| 参照元 | 平成26年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら労働者には退職の自由があり、会社が退職を認めないことは法的に許されません。また、業務で使用した費用を労働者に負担させることは原則として問題があります。一人で悩まず、専門家に相談しましょう。
退職できない状況に追い込まれるまでの経緯
学業との両立が難しくなった
私は日本に留学して2年目の大学生です。
生活費を稼ぐために、近所の新聞販売店でアルバイトを始めました。
朝刊の配達と集金の仕事を担当していました。
最初は学業との両立もできていたのですが、3年生になってゼミや就職活動が始まり、時間が足りなくなってきました。
このままでは学業に支障が出ると思い、退職届を店長に提出しました。
しかし店長は「今は人手が足りないから困る。後任が見つかるまで待ってほしい」と言いました。



民法第627条により、期間の定めのない雇用契約の場合、労働者は2週間前に退職の意思を伝えれば、いつでも退職することができます。会社が退職を「認めない」ことはできません。
退職届が受理されない日々
私は「わかりました」と答えて、もう少し働くことにしました。
しかし、いつまで経っても後任は見つかりません。
2週間後にもう一度退職の話をしましたが、また「もう少し待ってほしい」と言われました。
その間にも学業の方は大変になっていき、テストの成績も下がってきました。
私は外国人なので、会社が退職を認めないと辞められないのかと思っていました。
さらに、もう一つ問題がありました。
それは仕事で使っていた携帯電話の料金のことでした。



「わかりました」と答えた場合でも、それは「退職自体を取り消す」ことにはなりません。労働者の退職の意思表示は、相手に到達した時点で効力を持ちます。あいまいな返事をしてしまった場合でも、改めて退職の意思を明確に伝えることができます。
携帯電話料金の自己負担という問題
私が働き始めた時、店長から「携帯電話を持っているか」と聞かれました。
来日したばかりで契約ができなかったため、「持っていない」と答えました。
すると、店が携帯電話を用意してくれました。
この携帯電話は、集金の時にお客様と連絡を取るために使っていました。
しかし、毎月の電話料金は私が自分で払っていたのです。
店長は「固定電話を使うように言った」と言いますが、実際には携帯でないと対応できない場面が多かったのです。
そして今、退職するなら2年契約の中途解約料も自分で払うよう言われています。
これは本当に自分で払わなければならないのでしょうか。



業務で使用する費用は、原則として会社が負担すべきです。会社が用意した携帯電話を業務で使っていたにもかかわらず、その料金を労働者に負担させることは問題があります。退職時の解約料についても、労働者に負担を求めることは適切ではありません。
相談して分かった私の権利
友人に相談したところ、外国人向けの労働相談窓口があることを教えてもらいました。
相談センターで状況を説明すると、私が知らなかった権利を教えてもらいました。
発見①:退職は労働者の権利
- 期間の定めがない契約なら、2週間前の通知で退職できる
- 会社が退職を「認めない」ことはできない
- 退職届を受け取らなくても、意思表示は有効


会社が退職を認めないと言っても、法的には辞めることができます。
退職届を受け取らなくても、口頭で伝えた時点で意思表示は有効です。
ただし、証拠を残すために書面で通知する方が確実です。



退職届を受け取ってもらえない場合は、内容証明郵便で送る方法があります。これにより、いつ、どのような内容で退職の意思を伝えたかの証拠が残ります。
- あいまいな返事を避ける
- 退職日を明確に伝える
- 書面で記録を残す
- 脅しや嫌がらせがあれば相談する
退職を引き止めるために嫌がらせをしたり、脅したりすることは違法です。
そのような場合は、労働基準監督署や相談窓口に連絡しましょう。



「辞めたら損害賠償を請求する」などと脅されても、通常のアルバイトの退職で損害賠償が認められることはほとんどありません。そのような脅しに怯える必要はありません。
発見②:業務用の費用は会社負担が原則
携帯電話料金の負担について
- 業務使用分
- 会社が負担すべき費用
- 私用分
- 労働者の自己負担もあり得る
- 解約料
- 会社契約なら会社が負担すべき
会社が用意した携帯電話を業務で使っていた以上、その料金は会社が負担すべきです。
私の場合、実際に業務で使用していたことは明らかでした。
解約料についても、会社が契約した携帯なので、会社が負担すべきです。
- これまで自己負担していた携帯料金の一部
- 中途解約料の全額
- その他、業務で使った費用
- 未払いの賃金があればその分も



業務使用と私的使用が混在している場合は、その割合に応じて負担を分けることも考えられます。今回のケースでは、相談センターが会社と交渉し、これまで支払った電話料金の半分を返してもらえることになりました。
私が取るべき6つのステップ
相談センターの担当者と一緒に、具体的な行動計画を立てました。
退職届を書面で準備する
退職届を書面で作成し、退職日を明確に記載します。
「〇月〇日をもって退職いたします」という形で、意思を明確にします。
携帯電話料金の支払い記録を整理する
これまで支払った携帯電話料金の記録を集めます。
銀行口座の引き落とし明細やレシートがあれば保管しておきましょう。
相談センターに状況を説明する
外国人労働者向けの相談窓口に連絡します。
退職を認めてもらえないこと、携帯料金の問題の両方を説明します。
担当者が法的なアドバイスをしてくれます。
担当者を通じて店長と交渉する
相談センターの担当者が店長と話をしてくれます。
退職の自由があること、携帯料金を労働者に負担させることの問題点を説明してもらいます。
専門家が間に入ることで、スムーズに話が進むことが多いです。
退職日と携帯料金の精算を合意する
交渉の結果、退職日と携帯料金の精算方法を決めます。
解約料は店側が負担すること、これまでの料金の返還についても確認します。
合意内容を確認して退職する
合意した内容を書面で確認してから退職します。
最終給与の支払い日も確認しておきましょう。
携帯電話は店に返却し、料金の精算が完了したことを確認します。
何か問題があれば、相談センターに連絡できることを覚えておいてください。



今回のケースでは、相談センターの交渉により、店は退職を認め、携帯電話の中途解約料は店が負担することになりました。また、これまで支払った電話料金の半分も返してもらえることになりました。
まとめ:同じ悩みを持つ留学生へ
私と同じように、アルバイトを辞められなくて困っている留学生がいるかもしれません。
諦めないでください。
- 退職は労働者の権利で、会社は拒否できない
- 業務で使う費用は原則として会社が負担すべき
- 退職届を受け取ってもらえなくても意思表示は有効
- 相談窓口が会社との交渉を手伝ってくれる


私は相談センターの助けを借りて、無事に退職することができました。
携帯電話の解約料も払わずに済み、これまで払った料金の半分も返してもらえました。
最初は「外国人だから仕方ない」と思っていましたが、相談して本当に良かったです。
学業と両立できるアルバイトを探して、また頑張りたいと思います。
困った時は、一人で悩まずに相談してください。








