
突然の退職理由による賃金の不払い問題
私は小売店でアルバイトをしていた外国人です。
留学生として日本に来て、生活費を稼ぐために近所のコンビニで働いていました。
約3週間働いたのですが、その間の賃金と交通費が一切支払われませんでした。
何度も店長に「給料はいつもらえますか」と聞きましたが、「忙しいから」と言われるだけでした。
このままではお金がもらえないのではないかと不安になり、相談に行くことにしました。

| 国 | – |
|---|---|
| 日本語能力 | N3程度 |
| 職種 | 外食業(資格外活動許可) |
| 就職ルート | 留学生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル |
| 参照元 | 平成26年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら働いた分の賃金は、たとえ突然辞めた場合でも必ず支払われなければなりません。これは労働基準法で定められた「賃金支払いの原則」です。外国人であっても日本人と同じ権利があります。今からできることを一緒に確認しましょう。
賃金が支払われなくなるまでの経緯
初めての給料日に何も振り込まれなかった
私がその店で働き始めたのは、友人からの紹介でした。
面接では「時給は1,000円、交通費も出す」と言われて安心していました。
最初の2週間は毎日真面目に働きました。
しかし、約束されていた給料日になっても、銀行口座には1円も振り込まれていませんでした。
最初は「手続きが遅れているのかな」と思っていました。
しかし数日経っても振り込まれないので、店長に確認することにしました。
店長に「給料がまだ入っていません」と伝えると、「今は忙しいから後で」と言われただけでした。



賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。これを「一定期日払いの原則」と言います。給料日を過ぎても支払われない場合、使用者は労働基準法違反となります。
何度催促しても「忙しい」の一点張り
その後も何度か店長に給料のことを聞きました。
しかし返ってくる言葉はいつも「忙しい」だけでした。
ある日、私は急な用事ができて、店を辞めることになりました。
辞める前に「今までの給料を払ってください」とお願いしました。
しかし店長は「急に辞められて困っている。そんな人に給料を払う必要があるのか」と言ったのです。
私は日本の法律をよく知らなかったので、本当に給料がもらえないのかもしれないと思い、とても不安になりました。
このままでは3週間分の給料がもらえないと思い、相談窓口を探すことにしました。



労働者が突然退職した場合でも、使用者は働いた分の賃金を支払う義務があります。「急に辞めたから払わない」という主張は法的に認められません。退職の仕方と賃金の支払いは別の問題です。
払ってもらえるのか不安になった日々
店を辞めてからも給料は振り込まれませんでした。
私は外国人なので、日本人と同じ権利があるのか分かりませんでした。
友人に相談したところ、「外国人でも日本で働いている限り、日本の労働法で守られる」と教えてもらいました。
また、無料で相談できる窓口があることも知りました。
友人から教えてもらった外国人労働者向けの相談センターに連絡してみることにしました。



日本で働く外国人は、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などの保護を受けます。これは在留資格の種類に関係なく適用されます。困ったときは、まず相談することが大切です。
相談センターで調べて分かったこと
相談センターに行って、私の状況を説明しました。
担当者は私の話を丁寧に聞いてくれました。
発見①:賃金は必ず支払われる権利がある
- 通貨払いの原則:現金か銀行振込で支払う
- 直接払いの原則:労働者本人に直接支払う
- 全額払いの原則:働いた分は全額支払う


労働基準法では、使用者は賃金を全額支払わなければならないと定めています。
退職の仕方が急だったとしても、それは賃金を払わない理由にはなりません。



使用者が賃金を支払わない場合、労働基準監督署に申告することができます。労働基準監督署は、使用者に対して是正勧告を行う権限を持っています。
- 賃金請求権は2年で時効になる
- 証拠が残りにくくなる
- 会社が倒産すると回収が困難になる
- 他の労働者も同じ被害に遭う可能性がある
早めに行動することが大切です。
時間が経つと証拠が残りにくくなり、請求が難しくなる場合があります。



賃金請求権の消滅時効は2年間(2020年4月以降に発生した賃金は3年間)です。できるだけ早く対応することをお勧めします。
発見②:相談窓口が会社と交渉してくれる
利用できる相談窓口
- 労働基準監督署
- 賃金未払いの申告ができる
- 外国人労働者相談コーナー
- 多言語で相談できる
- 法テラス
- 無料法律相談が利用できる
相談センターの担当者は、私の代わりに店長と話をしてくれることになりました。
最初は不安でしたが、専門家が間に入ってくれることで、冷静に話し合いができると分かりました。
担当者は「相手の言い分も聞いた上で、解決策を提案します」と言ってくれました。
- 働いた日時の記録(シフト表やメモなど)
- 雇用契約書や労働条件通知書
- 給与明細(あれば)
- 会社とのやり取りの記録



証拠がなくても相談は可能です。担当者が状況を整理し、必要な対応を一緒に考えてくれます。一人で悩まず、まずは相談することが解決への第一歩です。
私が今すぐ行動すべき6つのステップ
相談センターの担当者から、私がすべきことを具体的に教えてもらいました。
働いた日時と時間を記録にまとめる
まず、いつ、何時間働いたかを思い出してメモに書きます。
シフト表のコピーがあれば一番良いですが、なくても大丈夫です。
カレンダーや手帳を見て、できるだけ正確に記録しましょう。
証拠になる書類を集める
雇用契約書、労働条件通知書、給与明細など、持っている書類を集めます。
LINEやメールで店長とやり取りした記録があれば、それも保存しておきましょう。
店長への対応を決める
担当者と一緒に、どのように店長に連絡するか決めます。
担当者が代わりに店長と話をしてくれる場合もあります。
賃金支払いの法的な義務を説明してもらうことで、店長も支払いに応じやすくなります。
賃金の受け取り日時を調整する
店長が支払いに同意したら、具体的な日時と場所を決めます。
銀行振込か現金手渡しかも確認しておきましょう。
賃金を受け取り記録を残す
実際に賃金を受け取ったら、領収書をもらうか、受け取りの記録を残しておきます。
金額が正しいか、その場で確認することも大切です。
交通費も含めて全額支払われたか確認しましょう。
もし金額が違っていたら、その場で担当者に相談してください。



今回のケースでは、相談センターが店長に賃金支払いの原則を粘り強く説明した結果、店長は理解を示し、賃金が無事支払われました。一人で悩まず、専門家の力を借りることが解決への近道です。
まとめ:同じ悩みを持つ外国人労働者へ
私と同じように、給料が払ってもらえなくて困っている外国人の方がいるかもしれません。
一人で悩まないでください。
- 働いた分の賃金は、たとえ急に辞めても必ず支払われる権利がある
- 外国人でも日本の労働法で守られている
- 相談窓口が会社との交渉を手伝ってくれる
- 証拠を集めて早めに行動することが大切


私は相談センターの助けを借りて、無事に3週間分の賃金と交通費を受け取ることができました。
最初は「外国人だから」と諦めそうになりましたが、相談して本当に良かったです。
日本で働く外国人にも、日本人と同じ権利があります。
困ったときは、一人で悩まずに相談してください。








