
経営悪化を理由に労働契約を打ち切られた体験談
私はサービス業で働いていた外国人の正社員です。
以前は教育関係の仕事をしていましたが、キャリアアップを目指して転職しました。
しかし入社後、業務のノウハウを教えてもらえず、さらに会社から数百万円の赤字があることを知らされました。
その後、仕事ぶりを細かくチェックされるようになり、仕事を任せてもらえなくなりました。
経営改善策を提案しても聞き入れてもらえず、最終的に経営悪化を理由に労働契約の打切りを通告されたのです。
これは正当な解雇なのでしょうか。

| 国 | – |
|---|---|
| 日本語能力 | N2程度 |
| 職種 | 宿泊(技術・人文知識・国際業務) |
| 就職ルート | その他の在留資格からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル |
| 参照元 | 平成25年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら経営悪化を理由とする解雇は「整理解雇」と呼ばれ、厳しい要件が求められます。単に赤字があるというだけでは、解雇は認められません。また、会社が十分な教育・指導を行わないまま「成長が見込めない」と判断することも問題があります。あなたの権利を守るための方法を確認しましょう。
入社から解雇通告までの経緯
ノウハウを教えてもらえない苦しい日々
私は教育関係の仕事で経験を積んだ後、さらなるキャリアアップを目指してサービス業に転職しました。
新しい会社で頑張ろうと意気込んでいましたが、入社してすぐに問題に直面しました。
業務手順やノウハウを教えてもらえず、何をどうすればいいのか分からない状態でした。
先輩社員に質問しても「忙しいから」と言われ、十分な説明を受けることができませんでした。
それでも自分なりに頑張って、少しずつ仕事を覚えていこうとしました。



会社には、新入社員に対して適切な教育・指導を行う義務があります。ノウハウを教えずに「成績が上がらない」と評価することは不当です。特に、外国人労働者の場合は言語や文化の違いも考慮した指導が必要です。
突然明かされた会社の赤字
入社してしばらく経った頃、会社から衝撃的な事実を知らされました。
会社には数百万円単位の赤字があるというのです。
それ以降、私の仕事ぶりは細かくチェックされるようになりました。
以前は任せてもらえていた仕事も、徐々に取り上げられていきました。
私は会社のために様々な経営改善策を提案しましたが、全く聞き入れてもらえませんでした。
そして最終的に、「経営悪化を理由とした労働契約の打切り」を通告されたのです。



経営悪化を理由とする解雇(整理解雇)には、4つの厳しい要件があります。①人員削減の必要性、②解雇回避努力、③人選の合理性、④手続きの妥当性です。これらの要件を満たさない解雇は無効となる可能性があります。
会社の言い分と私の疑問
解雇を通告されたとき、私は納得できませんでした。
確かに会社の経営が厳しいことは分かっていましたが、私の努力を全く評価してもらえなかったことが悔しかったのです。
そこで、外国人労働者相談センターに相談することにしました。
相談センターから会社に事情を確認してもらいました。
- リーマンショック後の売上減少からの回復が見込めなかった
- 市場縮小と競争激化で経営が厳しい
- 社長報酬の減額や採用抑制など様々な努力はしてきた
- トレーニングを行ったが本人の成長が見込めなかった
会社は「トレーニングを行い、本人の頑張りを期待したが、成長が見込めない上、業務成績も芳しくないため契約打切りを決めた」と説明しました。
しかし私から見れば、十分なトレーニングを受けた覚えはありませんでした。



会社が「教育・指導を行った」と主張しても、それが適切だったかどうかは客観的に評価されます。ノウハウを教えない、質問に答えないという状況で「成長が見込めない」と判断することは、会社の責任を労働者に転嫁しているとみなされる可能性があります。
相談窓口で分かった整理解雇の要件
相談窓口で、経営悪化を理由とする解雇には厳しい要件があることを教えてもらいました。
整理解雇の4要件
整理解雇が認められるための4つの要件
- ①人員削減の必要性
- 経営上、人員削減が本当に必要か
- ②解雇回避努力
- 配置転換、希望退職募集などの努力をしたか
- ③人選の合理性
- 解雇対象者の選定基準が合理的か
私のケースでは、これらの要件に問題がある可能性が指摘されました。
特に、経営回復を見込んで採用しておきながら、十分な教育を行わずに解雇することは、会社の判断の甘さを示しています。
また、解雇対象として私だけが選ばれた理由が明確ではありませんでした。



整理解雇の4要件は、裁判所が解雇の有効性を判断する際の重要な基準です。これらの要件を満たさない解雇は、解雇権の濫用として無効となる可能性があります。会社が「経営が厳しい」というだけでは、解雇は認められません。
会社が認めた判断の甘さ
- 経営回復を見込んで採用したのに、十分な教育を行わなかった
- 解雇までの過程で、本人への説明や協議が不十分だった
- 解雇対象の選定基準が明確でなかった
- 離職条件が適切でなかった


相談窓口から会社に、これらの問題点が指摘されました。
会社は自らの判断の甘さを認め、離職条件の再検討を約束してくれました。
最終的に、当面の生活保障として基本給数か月分に若干の上乗せした金額が提示され、私もこれを受け入れることにしました。



解雇が避けられない場合でも、適切な退職条件を交渉することは可能です。次の就職活動期間中の生活費を確保するためにも、専門家に相談しながら交渉を進めることが大切です。
私が今すぐ行動すべき6つのステップ
同じような状況になった方のために、私が学んだことをまとめます。
解雇の経緯を詳しく記録する
解雇を告げられた日時、場所、誰から言われたか、どのような理由が説明されたかを詳しく記録します。
会社が説明した経営状況や、あなたへの評価についても記録しておきましょう。
証拠書類を集める
雇用契約書、業務評価書、会社からのメール、給与明細などの書類を集めます。
教育・指導を受けた記録や、あなたが提案した改善策の資料も重要です。
相談窓口に連絡する
整理解雇の要件を確認する
人員削減の必要性、解雇回避努力、人選の合理性、手続きの妥当性の4つの要件が満たされているか確認します。
これらの要件に問題があれば、解雇の無効を主張できる可能性があります。
要件を満たしていない場合は、会社に対して問題点を指摘します。
退職条件を交渉する
解雇が避けられない場合でも、退職金や解雇予告手当、当面の生活保障について交渉することができます。
次の就職が決まるまでの生活費を確保することが重要です。
在留資格と次の就職に備える
退職後の在留資格への影響を確認します。
会社都合退職の場合は「特定活動」への変更が可能な場合があります。
ハローワークで求職登録を行い、次の就職先を探し始めましょう。
在留資格の変更が必要な場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。



経営悪化を理由とする解雇は、会社側に厳しい要件が課されています。「経営が厳しいから」という理由だけで諦める必要はありません。専門家に相談して、自分の権利を守りましょう。
まとめ:同じ悩みを持つ外国人労働者に伝えたいこと
私と同じように、経営悪化を理由に解雇を言い渡された外国人労働者の方がいるかもしれません。
すぐに諦めないでください。
- 経営悪化を理由とする解雇(整理解雇)には厳しい4要件がある
- 十分な教育・指導なしに「成長が見込めない」と判断することは問題がある
- 解雇が避けられない場合でも、退職条件の交渉は可能
- 会社都合退職の場合は在留資格変更の選択肢がある


私はこの経験を通じて、自分の権利を主張することで状況を改善できることを学びました。
会社の説明を鵜呑みにせず、専門家に相談して客観的な判断をもらうことが大切です。
次の会社では、入社前に労働条件をしっかり確認し、教育・研修体制についても確認するつもりです。
外国人労働者であっても、日本の労働法で守られています。
困ったときは、一人で悩まずに助けを求めてください。








