
「能力不足だからクビ」と言われた外国人労働者の逆転劇
私は製造業の工場で働いていた外国人です。
6か月の有期雇用契約で、毎日真面目に仕事をしていました。
ある日突然、上司に呼ばれて「当日欠勤が多いから時給を下げる。嫌なら明日から来なくていい」と言われました。
確かに体調不良で何度か当日欠勤したことはありましたが、いきなり時給を下げられるとは思いませんでした。
しかも、それを断ったら「明日から来るな」と言われたのです。
契約期間はまだ残っているのに、これは本当に許されることなのでしょうか。

| 国 | – |
|---|---|
| 日本語能力 | N3程度 |
| 職種 | 工業製品製造業(技能実習) |
| 就職ルート | 技能実習生からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 言語・文化の違いによるトラブル |
| 参照元 | – |
まつむら有期雇用契約の途中で一方的に解雇することは、原則として認められていません。「やむを得ない事由」がなければ、契約期間の途中での解雇は無効となります。また、時給の引き下げも労働者の同意なく行うことはできません。まずは状況を整理して、取るべき対応を確認しましょう。
突然の時給引き下げ通告から解雇に至るまでの経緯
上司から告げられた突然の時給引き下げ
その日は普通に仕事をしていました。
午後になって上司から「話がある」と呼ばれ、事務所に入りました。
「最近、当日欠勤が多い。だから来月から時給を下げることにした」と言われたのです。
確かに、先月は風邪で2回ほど当日欠勤をしてしまいました。
でも、ちゃんと電話で連絡を入れていましたし、診断書も提出しました。
それなのに、いきなり時給を下げると言われて、とても驚きました。
私は「それは困ります」と言いましたが、上司は聞く耳を持ちませんでした。



時給などの労働条件を変更する場合、会社は労働者の同意を得る必要があります。一方的な賃金引き下げは労働契約法に違反する可能性があり、労働者はこれを拒否する権利があります。
「来なくていい」と言われた瞬間
時給の引き下げに納得できなかった私は、「もう少し考えさせてください」と言いました。
すると上司は急に態度を変えて、「これに応じられないなら、明日から来なくてもいい」と言い放ちました。
頭が真っ白になりました。
契約はまだ3か月も残っているのに、そんなことが許されるのでしょうか。
私は混乱して、その場を離れてしまいました。
後で会社に確認すると、会社側は「相談者が一方的に話し合いを打ち切って、自分から退職すると言った」と主張していました。
私はそんなことを言っていません。
言葉の行き違いで、私が辞めると言ったことにされてしまったのです。



有期雇用契約の途中での解雇は、「やむを得ない事由」がない限り認められません(労働契約法第17条)。能力不足や当日欠勤が数回あったという程度では、「やむを得ない事由」とは認められにくいのが実情です。
会社との食い違いと私の不安
会社を出た後、私は何が起きたのか整理できませんでした。
会社は「能力不足が理由」と言っていますが、私には「当日欠勤が多い」と言われました。
言っていることが違います。
また、私は「辞める」とは言っていないのに、会社は「自分から辞めると言った」と主張しています。
日本語がまだ完璧ではないので、もしかしたら私の言葉が誤解されたのかもしれません。
でも、このままでは自己都合退職にされてしまい、失業手当も不利になってしまいます。
契約期間が残っているのに、突然仕事を失うのは本当に困ります。



労使間で退職の経緯について認識が異なる場合、客観的な証拠が重要になります。会社とのやり取りはできるだけ書面やメールで残すようにしましょう。また、外国人労働者向けの相談窓口に早めに相談することで、適切な対応方法を知ることができます。
相談窓口で調べて分かった私の権利
友人のアドバイスで、外国人労働者向けの相談センターに行きました。
そこで、私にも守られる権利があることを知りました。
有期雇用の途中解雇は簡単にはできない
- 重大な服務規律違反があった場合
- 会社の経営が著しく悪化した場合
- 労働者が長期間働けない状態になった場合
- その他、やむを得ない事由がある場合
相談センターで教えてもらったのは、有期雇用契約の途中解雇は、「やむを得ない事由」がなければ認められないということです。
「能力不足」や「当日欠勤が数回あった」という程度では、やむを得ない事由とは認められにくいそうです。
また、時給の引き下げも私の同意なく行うことはできません。
つまり、会社の対応には問題がある可能性が高いのです。



労働契約法第17条では、有期労働契約について「やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」と定めています。この要件は非常に厳格に解釈されています。
相談センターを通じた交渉という選択肢
解決方法の比較
- 相談センターでの調整
- 費用がかからない
- 比較的短期間で解決できる
- 専門スタッフが間に入って交渉してくれる
- 労働審判・裁判
- 法的な拘束力がある
- 弁護士費用がかかる場合がある
- 時間がかかる可能性がある
相談センターでは、会社との間に入って話し合いを調整してくれます。
私のケースでは、センターが会社に事情を聴取し、労使の意見を調整してくれました。
その結果、会社は解雇の正当性を主張し続けましたが、センターの説明を聞いて態度を軟化させました。
最終的に、1か月分の給与相当の補償金を支払うことで合意に至りました。



外国人労働者向けの相談窓口には、各都道府県の労働局や労働基準監督署のほか、外国人労働者相談コーナーなどがあります。通訳サービスを提供している窓口も多いので、日本語に不安がある場合でも相談できます。
私が取った具体的な行動計画
相談センターのサポートを受けながら、私が実際に行った行動をまとめます。
会社とのやり取りを時系列で記録する
まず、上司から時給引き下げを告げられた日時、場所、具体的な発言内容を詳しく記録しました。
「明日から来なくていい」と言われた状況も、できるだけ正確に書き出しました。
記憶が曖昧になる前に記録することが大切です。
労働契約書や給与明細などの証拠を集める
労働契約書、給与明細、タイムカードのコピーなど、雇用関係を証明する書類を集めました。
当日欠勤した際の連絡記録や診断書も重要な証拠になります。
外国人労働者向け相談窓口に相談する
外国人労働者向けの相談センターに行って、状況を説明しました。
通訳サービスがあったので、母国語で詳しく説明することができました。
専門スタッフが私の権利について丁寧に説明してくれました。
相談センターを通じて会社と交渉する
相談センターのスタッフが会社に事情聴取を行いました。
会社の主張と私の主張の食い違いを整理し、有期雇用契約の途中解雇の要件について会社に説明してくれました。
自分一人で交渉するよりも、専門家が間に入ることで話し合いがスムーズに進みました。
合意内容を書面で確認する
交渉の結果、1か月分の給与相当の補償金を支払ってもらうことで合意しました。
合意内容は必ず書面で確認し、双方が署名しました。
次の就職先を探しながら在留資格を確認する
問題が解決した後は、次の就職先を探し始めました。
在留資格の期限や、転職に必要な手続きも確認しました。
退職から14日以内に入国管理局への届出が必要なことも忘れずに対応しました。
新しい仕事が見つかるまでは、ハローワークでの求職活動も並行して行いました。
まとめ:同じ悩みを持つ外国人労働者に伝えたいこと
突然の解雇通告を受けたときは、本当に不安でした。
でも、相談窓口に行ったことで、自分にも権利があることを知りました。
- 有期雇用契約の途中解雇は「やむを得ない事由」がなければ認められない
- 時給の引き下げも労働者の同意なく行うことはできない
- 外国人労働者向けの相談窓口を活用して専門家のサポートを受けよう
- 会社とのやり取りは必ず記録し、証拠を残しておくことが重要


私はこの経験から、困ったときは一人で悩まずに専門家に相談することの大切さを学びました。
言葉の壁があっても、通訳サービスを使えば自分の状況を正確に伝えることができます。
同じような状況で悩んでいる外国人労働者の方がいたら、ぜひ早めに相談窓口を訪れてください。
あなたにも守られる権利があります。








