
同僚トラブルで解雇!雇用保険遡及加入で権利を守る
私は中国料理店で調理人として働いていた外国人です。
在留資格は「特定技能1号」で、調理の技術には自信がありました。
ある日、同僚の調理人との間で業務上のトラブルが発生し、人間関係が急激に悪化してしまいました。
その後、オーナーから退職勧奨を受け、さらに賃金を減額されるという不利益を受けました。
最終的には解雇を通告され、私は途方に暮れてしまいました。
相談窓口で話を聞いてもらうなかで、私の雇用保険が未加入だったことも判明したのです。

| 出身国 | 中国 |
|---|---|
| 日本語能力 | N3程度 |
| 職種 | 外食業(特定技能1号) |
| 就職ルート | 母国からの就職 |
| トラブル種別 | 労働条件に関するトラブル 失踪や離職に関するトラブル |
| 参照元 | 令和4年東京都の労働相談の状況 – 外国人労働相談 |
まつむら職場での人間関係トラブルから解雇に至るケースは少なくありません。しかし、解雇には正当な理由が必要であり、雇用保険の加入義務も雇用主にあります。今回のように雇用保険未加入が判明した場合は、遡及加入という方法で権利を守ることができます。
同僚との人間関係悪化から解雇通告までの経緯
業務上のトラブルで同僚との関係が悪化
私は中国料理店で3年近く働いていました。
仕事には真剣に取り組み、お客様からも「美味しい」と言っていただけることが励みでした。
ところがある日、同僚の調理人と調理の手順をめぐって口論になってしまいました。
私は自分のやり方が正しいと思っていましたし、相手も譲りませんでした。
それ以来、お互いに口をきかなくなり、厨房の雰囲気は最悪になりました。
オーナーは最初、「二人で話し合って解決してほしい」と言っていました。
しかし状況は改善せず、むしろ悪化していきました。



職場での人間関係トラブルは、雇用主が適切に対処する義務があります。単に「話し合って解決して」と言うだけでは、職場環境配慮義務を果たしているとは言えません。トラブルが発生した場合、中立的な立場で両者の話を聞き、解決策を提示することが求められます。
退職勧奨、賃金減額、そして解雇通告
トラブルから1か月ほど経った頃、オーナーに呼ばれました。
「お店の雰囲気が悪くなっている。辞めてもらえないか」と言われました。
私は驚きましたが、「仕事を続けたい」と答えました。
すると翌月から、私の給料が突然減額されました。
理由を聞いても「経営が厳しいから」としか説明されませんでした。
同僚の給料は変わっていないことを後で知り、不公平だと感じました。
さらに2か月後、「来月で辞めてもらう」と解雇を通告されました。
私は「不当解雇だ」と思い、相談できる場所を探し始めました。



退職勧奨を断った後に賃金を減額し、最終的に解雇するというのは、労働者に不利益を与えて退職に追い込む典型的なパターンです。合理的な理由のない賃金減額は労働契約法に違反し、解雇についても客観的に合理的な理由がなければ無効となる可能性があります。
相談窓口で判明した雇用保険未加入の事実
知人の紹介で、外国人労働者の相談窓口を訪れました。
相談員の方が丁寧に話を聞いてくれました。
解雇の経緯を説明するなかで、私の雇用保険が未加入であることが判明しました。
雇用保険とは、失業したときにお金をもらえる制度です。
会社は従業員を雇用保険に加入させる義務がありますが、私の会社はそれをしていなかったのです。
また、残業代の一部も支払われていないことがわかりました。
相談員の方に「今後どうしたいですか」と聞かれ、私は少し考えました。
正直なところ、もうあの職場で働く気持ちはありませんでした。
「転職して新しい職場を探したい」と答えました。



雇用保険は、週20時間以上働く労働者を雇用する事業主に加入義務があります。外国人労働者も日本人と同様に加入対象となります。会社が加入手続きを怠っていた場合でも、遡って加入することが可能です。これにより、失業手当を受給できる権利を得られます。
相談窓口で調べて分かった解決への道筋
相談窓口がオーナーに事情を確認してくれました。
オーナーは「以前にも同じように人間関係で辞めた人がいた」と説明しました。
「これ以上働き続けるのは無理だと判断した」とのことでした。
雇用保険の遡及加入で失業手当を受給できる
- 最大2年分まで遡って加入できる
- 失業手当の受給資格を得られる
- 会社都合退職なら待機期間なしで受給開始


雇用保険は最大2年間遡って加入することができます。
私の場合、3年近く働いていたので、2年分の遡及加入が可能でした。
これにより、失業手当を受給する資格を得られることがわかりました。
会社都合による退職であれば、待機期間7日間の後すぐに失業手当を受け取れます。
自己都合退職の場合は2か月以上待たなければならないので、大きな違いです。



雇用保険の遡及加入は、会社が手続きを行う必要があります。会社が拒否する場合は、ハローワークに相談すれば、行政指導により加入手続きを促してもらえます。保険料は本人負担分と会社負担分の両方が発生しますが、失業手当を受給できるメリットは大きいです。
未払い残業代も請求できることが判明
- 残業代の時効は3年間(2020年4月以降の分)
- タイムカードや勤務記録があると証明しやすい
- 証拠がなくても請求は可能だが交渉が難航する場合も
- 退職後でも請求権は消滅しない
相談窓口の調査で、私の残業代が一部支払われていないことがわかりました。
飲食店は忙しい時間帯が決まっているため、残業が多くなりがちです。
私もランチタイムやディナータイムの前後は長時間働いていました。
残業代は退職後でも3年間は請求する権利があります。
相談窓口が計算してくれた結果、かなりの金額になることがわかりました。



残業代を請求するには、実際に働いた時間の記録が重要です。タイムカードのコピー、シフト表、自分でつけていた勤務記録、同僚の証言などが証拠になります。会社が記録を出さない場合は、労働基準監督署に相談することも一つの方法です。
解決に向けて私が今すぐ行動すべき6つのステップ
相談窓口のサポートを受けながら、私がすべきことが明確になりました。
勤務記録や給与明細などの証拠を整理する
まず最初に、手元にある書類をすべて整理しました。
給与明細、雇用契約書、シフト表のコピーなどを時系列で並べました。
残業した日は自分のスマートフォンのカレンダーにメモしていたので、それも証拠として使えることがわかりました。
相談窓口を通じて会社と交渉する
相談窓口がオーナーに連絡を取り、私の希望を伝えてくれました。
具体的には、雇用保険の遡及加入と未払い残業代の支払いについてです。
一人で交渉するのは難しかったので、専門家が間に入ってくれて心強かったです。
雇用保険の遡及加入手続きを依頼する
相談窓口の説明を受けて、オーナーは遡及加入に同意してくれました。
2年分の保険料は会社と私で分担することになりました。
自分の負担分は少し痛い出費でしたが、失業手当を受け取れることを考えれば十分に価値がありました。
未払い残業代の支払いを求める
残業代についても交渉しました。
最初オーナーは「そんなに残業はなかったはずだ」と言いましたが、私が記録していたメモを見せると態度が変わりました。
最終的に、計算した金額の一部を支払うことで合意しました。
全額ではありませんでしたが、何も受け取れないよりはずっと良い結果でした。
会社都合の離職票を発行してもらう
離職票の退職理由について、「会社都合」で発行してもらうことが重要でした。
今回は会社から解雇されたのですから、当然「会社都合」になるはずです。
相談窓口の働きかけにより、オーナーは「会社都合」での離職票発行に同意してくれました。
ハローワークで失業手当の手続きをする
離職票を受け取ったら、すぐにハローワークに行きました。
失業手当の手続きと同時に、求職登録も行いました。
会社都合退職のため、7日間の待機期間後すぐに失業手当を受給できることになりました。
これで次の仕事を探す間の生活費の心配が軽くなりました。



今回のケースは、相談窓口が間に入ることでスムーズに解決に至りました。雇用保険の遡及加入、未払い残業代の支払い、会社都合での離職票発行という3つの成果を得られたのは、適切な相談先を見つけたことが大きかったです。
まとめ:同じ悩みを持つ外国人労働者に伝えたいこと
職場で人間関係のトラブルに巻き込まれ、解雇されてしまう外国人労働者は少なくないと思います。
私のように、雇用保険に加入していなかったことに気づかないまま働いている人もいるでしょう。
- 雇用保険未加入でも最大2年間遡って加入できる
- 会社都合退職なら失業手当を待機期間後すぐに受給可能
- 未払い残業代は退職後3年間請求できる
- 専門の相談窓口を利用すれば交渉がスムーズに進む


私はこの経験を通じて、困ったときは一人で抱え込まず、専門家に相談することの大切さを学びました。
今は新しい職場を探しながら、前を向いて歩いています。
もし同じような状況で悩んでいる方がいたら、ぜひ相談窓口を訪ねてみてください。
私たち外国人労働者にも、守られるべき権利があります。
諦めずに行動すれば、道は開けるはずです。








